シニアライダーの日常・BMW R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車BMW R1200Rと行くツーリングの記録。

1970年代末から80年代初め、韓国での暮らし<後編>

 

前編からの続きです。

現地会社では経理部に配属となり、簿記の知識は全くありませんでしたので、先輩駐在員が高校の頃使ったという簿記の教科書で、複式簿記とは何ぞや?というところから始まりました。先輩は商業高校から商学部に進んだ人で、高校の簿記なんて簡単だよ、と言ってましたが、借方貸方の概念からして理解するのに四苦八苦しました。韓国の会計制度はほぼ日本と同じで、その点は有難かったです。

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着任してから、半日は会社でこの業務習得のための勉強と実務の見習い、半日はアパートに先生に来てもらって、マンツーマン(先生は女性でしたが)での韓国語の勉強。3か月くらいは勉強ばかりでした。
韓国語の先生は、日本への留学経験のある20代のとても知的で美しい女性で、それだけで勉強のモチベーションは高かったです。ベルリッツからの派遣で、半日ずつ私と同期生とを丸一日かけて教えてくれるわけで、ソウルからの派遣費用含め、今から考えると会社は我々に相当な投資をしてくれたんだなと感謝の思いです。若い当時はそこまで考えが及んではいなかったですが、、。

半日の語学教育も当然有意義でしたが、半日レッスンを受けた後、実際に会社で、習った韓国語を使う環境に置かれたことが上達できた要因だと思います。言葉はやはり使ってこそですね。会社には責任者含め日本人は3人(建設中の新会社の要員が私の同期含め3名、しばらく同居していましたが)しかいませんでしたので、カタコトでも何でも韓国語を使うしかありませんでしたから。
日本人の責任者でも30代、それを支える韓国人の部長たちが最年長で、それでも40代、50代ととても若い会社でした。生産工場でしたから生産現場の第一線の管理者たちは結構重要で、それが大卒2~3年のほぼ私と同年代の若者でした。飲めない私ですが、それが許される環境ではなく毎夜といっていいほど飲みに連れ出されました。そこで覚えた韓国語が一番生きた韓国語だったかも・・。

当時の韓国の進学率は今のように高くはなく、大卒の彼らは文字通りのエリートでした。しかも韓国を代表する難関大学SKY(ソウル、高麗、延世)出身者が普通に居ましたので、知的レベルはとても高い集団だったと思います。反日感情がなかったとはいいませんが、早く日本に追いつきたいという素直な感情が前面に出て、皆とても意欲的でした。怠惰な大学生活を送ってきた私と違って、「ウリナラ(私たちの国)の発展の為」というセリフが何の衒いもなく出てきました。

また当時韓国の義務教育は、まだ国民学校(小学校、現在は初等学校)までで、経済的に恵まれない家庭では12歳で働きに出ることも珍しくなく、この会社でも生産現場で新規採用される女子工員の多くはそういう環境の子たちでした。ただ上記のように国を挙げて先進国の仲間入りを目指す雰囲気がありましたから、彼女たちの向学心、向上心もとても強く、入社条件は寄宿舎を用意すること(都市部と地方との経済格差は大きく、地方出身者が多かった)、夜間の中学校に通わせること(スクールバスも用意していました)、が条件だったと思います。
ですから工場の終業時間が来ると、更衣室で学校の制服に着替えた12~13歳の女の子が鞄を抱えて、工場の正門前で待っているスクールバスに我先に駆けていく風景を、今でも思い出します。

一方で私の仕事は経理ですから事務所での仕事になります。事務職員は最低でも高卒、大卒ももちろん多いですから、彼ら彼女らは生産現場の社員に対しては一種の優越感を持っていたことも感じられました。
部門としては総務部、貿易部、経理部で、花形はやはり貿易部でしたね。この会社では日本の本社を中心とした三国間貿易を行っており、販路は欧米が主体でした。実際の荷物は生産地である韓国から欧米の顧客に直送されるわけで、そのやりとりが主要業務でした。当時まだテレックスが通信の主役で、キーボードに向かって独特の短縮英語を駆使しながらやり取りするのは見ていてもカッコ良かったですね。
なんせ我々経理部はソロバンに計算尺でしたから、、。
すでに電卓はあって普及もしていたのですが、当時の社長の方針で、欧米の顧客受けも狙いとして、ソロバン、計算尺はこの会社の必修科目でした。特に計算尺は欧米のバイヤーとの商談でのインパクトは絶大だったそうで、ソロバン、計算尺とも一から練習しました。

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ソロバンと電卓があります。太いネクタイと長髪が時代ですねえ。

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テレックス、知らない人が多いでしょうね。https://plaza.rakuten.co.jp/pogacsa/diary/201506010001/ 耳(ミミ)とチャッピの布団さんよりお借りしました。

またまた長くなってきましたのでこの辺にします。
書き足りないこともありますので、また機会があれば続編を。

 

 

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