シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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文楽「心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)」を見てきました。

国会議事堂そばの国立劇場に文楽を見に行ってきました。

去年の9月に船上での文楽公演というのを初めて見てから、もう一度ちゃんと見たいと思っていましたが、やっと実現しました。
前回も初心者向けの講座付きでしたが、まだまだわかっていませんので、今回も事前レクチャー付きの「文楽鑑賞教室」を申し込みました。
演目は近松門左衛門作「心中天網島」です。

 

今では人形浄瑠璃=文楽というのが世間一般の理解ですが、そもそも竹本義太夫という人が、今では古浄瑠璃と呼ばれる人形芝居を、自らの義太夫節の演奏と人形による人形浄瑠璃として、太夫、三味線、人形遣いの三業というシステムで大阪で演じ始めたのが始まりで、そしてその時、近松門左衛門が竹本義太夫の為に本を書いて大評判となったのだそうです。
文楽はその当時は人形浄瑠璃のいち興行座だったのですが、現存するのが文楽座のみとなったため、「文楽」という名称がすべての人形浄瑠璃の代表的存在、代名詞となったということのようです。

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国立劇場には初めて行きましたが、とても立派な劇場で、歌舞伎、文楽を中心とした日本の伝統芸能の上演の場所となっています。文楽はここの小劇場を使いますが、小劇場とは言え、500席を超える席数があり、この日は16列というほぼ最後列の席でしたので、人形の顔の判別も難しかったです。今度はもっと前で見たいなあ。
文楽の席設定は、殆どが1等席で、最後列2列のみが2等席、出語り床(浄瑠璃を語る太夫と三味線の席で、舞台上手=右側に張り出しています。)の陰で舞台が見えにくい数席の3等席となっていました。人形の表情も見どころですので、同じ1等席でも最前列と私の16列では雲泥の差です。やはり後部の席に座っている人たちの中にはオペラグラス持参という鑑賞慣れした人も多かったです。平日11時からの上演ですが、ほぼ満席の入りで、私たちのような熟年夫婦が多かったです。

 

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出典:心中天の網島パンフレット



 

場内は撮れませんのでパンフレットですが、この人形を3人で操ります。
事前のレクチャーではこの人形遣いについて教わりました。主遣い(おもづかい)が首(かしら)と右手、左遣いが左手、足遣いが脚を操作するのですが、世界でも3人で操作する人形劇は殆どないのだとか。「頭(ず)」と呼ばれる主遣いの合図によって呼吸を合わせているのですが、これは長年の修練が必要です。やって見せてくれましたが自分にはできる気がしません。左遣いと足遣いは黒衣姿(黒子)ですが、主遣いは顔を見せています。
人形のからくりにセミクジラのヒゲをばねとして使ってあったり、三味線のバチは象牙であったりしますので、最近多い海外公演では気を遣うそうです。

 

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初心者につき、イヤホンガイドも必需品ですが、歌舞伎にしてもこれがあればほぼ内容は把握できて楽しめます。この日の講演では舞台両側に語りの内容を字幕(?)表示してくれていましたので更にわかりやすかったです。

これで歌舞伎と文楽は見たことになりますが、能楽は未体験です。能楽は江戸時代までの猿楽を能と呼び変え、狂言をあわせて明治時代にできた呼称らしいですが、庶民の娯楽だった歌舞伎と違い、武家の嗜みとされていたこともあってか、格式高そうです。

日本の伝統芸能には若い頃全く興味がありませんでしたが、思いのほか面白いですね。




 

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