堤真一とナインティナイン岡村隆史の「決算!忠臣蔵」をみてきました。「記憶にございません!」から邦画4連発です。今回は家内と娘の3人で行きましたが、女子大生の選ぶ映画ではないような気はしますね。
自分では邦画より洋画の方が好きだと思ってましたが邦画が続いています。
上映中の洋画は、ターミネーターもジョーカーもイエスタディもさほど興味がなく、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシのアイリッシュマンだけは、出演俳優の顔ぶれだけ見ても面白そうと思うのですが、210分という上映時間に怖気づいています。
蓋を開けてみると、「決算!忠臣蔵」なかなか健闘しているみたいです。
堤真一は好きな役者ですが、私よりも家内がお気に入りで、「神様はバリにいる」で彼にはまってしまったらしいです。私はこの映画はWOWWOWか何かの放映をチラ見した程度で、ちゃんとは見ていないのですが、個性的な役どころだったのは憶えています。
彼は「ALWAYS三丁目の夕日」の演技が評価されて多くの賞をもらったようですが、私は「プリンセストヨトミ」での堤真一が印象深いです。
この映画も「人間失格」や「閉鎖病棟」と同じく原作が先で、「鴨川ホルモー」や「鹿男あおによし」などで知られる万城目学の作品です。万城目ワールドと言われる独特の非日常感が面白かったのですが、愛読者の中では異質なおじさんだったでしょう。「鴨川ホルモー」も観ましたが、流石に映画館に足を運ぶのは気恥ずかしく、どちらもamazonプライムで観たと思います。
「決算!忠臣蔵」に話を戻します。
TVでの予告編を見るとこの映画はコメディタッチの作品だと思われるでしょうし、確かに吉本の芸人達が大挙出演していますので、小ネタをはさんだり、コミカルな演出は多々あります。それはその通りなのですが、それはこの映画が、従来のような英雄による忠臣蔵ではなく、普通の人が戸惑いながら、腰が引けながらも流れで討ち入りに向かっていってしまう忠臣蔵を描こうとしているので、当然そこに可笑し味も出てくるのだと思います。
それと全編関西弁なのも、それだけで喜劇っぽくとらえられそうです。最初私も関西弁の忠臣蔵に違和感がありましたが、考えてみれば播州赤穂ですから関西弁で当然ですし、江戸詰めの藩士にはちゃんと江戸弁を使わせてました。
また「決算!」というタイトル通り、大石内蔵助が実際に残したという討ち入りの決算書を元に、経費という面から忠臣蔵を描いた作品でもあるのですが、討ち入りにかかった経費を細々と現在価値に換算して表示してくれるのは面白かったです。武士の体面を保つ為の生活が、いかにカネのかかるものだったのかということも実感できました。
岡村隆史は役方(文官)の中でも勘定方(経理)という役どころで、番方(武官)とは経費の使い方でことごとく対立します。文官と武官を企業でいうと管理部門と営業部隊といったところで、会社勤めしている人なら、そこかしこで「あるある」と頷く場面があると思います。