暖冬の今季ですが、初めて都内にも雪が降ったこの日、「深川江戸資料館」に行ってきました。最寄り駅は東京メトロ半蔵門線の清澄白河です。
この日はセンター試験の初日、これまであんなに暖かかったのに、この日に限ってこんな天気になるなんて。それにしてもセンター試験の日って、雪の確率高くないですか?受験生諸君は大変です。
目的は2つ。
1つ目は、「新春能楽初め」です。地元深川在住の観世流能楽師、桑田貴志さんが、「謡(うたい):能の声楽にあたる部分」と、「仕舞(しまい):能の一部を面・装束をつけず、紋服・袴のまま素で舞うこと」のさわりを演じ、正月にちなんだ能の演目や能の歴史、特色、見方などを分かりやすく話してくれるというものです。
能は未経験で、一度見てみたいとはずっと思っているのですが、歌舞伎や文楽と比べて敷居が高く、なかなか踏み切れないでいます。そんな時この催しを知り、まずは勉強のために行ってみるかとなった訳です。
なぜ能楽が武家の公式芸能=武家式楽となったのかということとか、江戸城 謡初の式で演じられた「老松(おいまつ)」「東北(とうぼく)」「高砂(たかさご)」のこととかをわかりやすく説明してもらいました。
桑田さん曰く、確かに言い回しや言葉遣いはなじみにくいけれども、難しく考えず、神の言葉だから、くらいに割り切ってまずは足を運んでみて欲しいとのことです。
参考までに、いただいた資料で「神歌」(能では翁):新年には必ず全国の能舞台で演じられる特別な能、の冒頭部分を書きだしてみます。
翁 とうとうたらりたらりら。たらりあがりらりとう。
地謡 ちりやたらりたらりら。たらりあがりららりとう。
翁 所千代までおはしませ。
地謡 我らも千秋さむらはう。
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どうです?深く考えないほうが良さそうでしょう?
やはりまずは一度行って感じてみよう、という気になりました。見るまえに飛べ!かな。
2つ目は「江戸のまんが」展です。江戸時代のまんがは、戯画や鳥羽絵などと呼ばれて、その時代を多角的に描いた絵のことで、そこに描かれている世情や庶民の生活の様子などを紹介する、というものです。
おなじみの北斎や広重、国芳らのまんがも紹介されていて、今の漫画、アニメのルーツであるということが感じられました。外国人比率高いです。
元々この資料館へは一度行きたいと思っていたのですが、一つ目の「新春能楽初め」がこの日限りの催しだったこともあり、みぞれ交じりの雪が降って寒い中出かけた訳です。
この資料館の常設展示は、江戸時代末期、天保年間頃の深川佐賀町の街並みを復元したもので「情景再現、生活再現展示」が売り物です。
ここからも近い、江戸東京博物館の、江戸の街並みのコーナーとよく似ています。
それをコンパクトな空間にまとめていますが、違うのは、江戸東京博物館の町は架空のものであるのに対して、ここは天保年間の深川佐賀町を想定復元しているというところです。
表通りの大店や白壁の土蔵、船宿とその前の掘割には猪牙舟、路地の奥の長屋、火の見やぐら、そしてそこに住む人々の家族構成や職業、年齢までも細かく設定して、それぞれの暮らしに合った生活用品を展示する、という凝り様です。
また、ここは、靴を脱いで家屋の中にも入ることができ、より臨場感を味わうことができます。
江東区の運営だからなのか、この内容で大人400円の入場料はとてもお得だと思います。写真もすべて撮影可と鷹揚ですし、雪の中出かける価値はあったと思えました。
帰りに、せっかく清澄白河まで来たのだからと、ブルーボトルコーヒーに行ってみましたが、行列の為断念!
一時に比べるとずいぶん沈静化はしているようですが、それでも雪の中並ぶ気にはならず、、。
深川江戸資料館からは徒歩5分位ですから、興味のある方はセットでどうぞ。