春になったかと思ったら、また冬の寒さに逆戻りした2月最初の金曜日、飲み会のお誘いがあって久し振りに北区の赤羽まで行ってきました。
2015年に「山田孝之の東京都北区赤羽」というドラマが放映されてから、すっかりメジャーになったようです。かつては朝から飲んでいる人がいる、オヤジの街という印象が強かったですが、週末の飲食店街には女性や20~30代の若い層が意外と多くなっていることが実感でき、この夜も大勢の若者、そして外国人で賑わっていました。まあ今でも朝から飲める街というのは間違いないようですが。
赤羽は、上記の「昼から飲んで怒られない街」という納得できる評価と共に、「すっぴんで歩けそうな街」、「生活費が抑えられそうな街」とかいうランキング(何でもランキングがあります)でも上位を占めているのだそうです。
赤羽人気の理由は、1つ目はテレビ番組の影響、2つ目は朝から飲める、安くておいしい飲食店街があるということになりますが、それに加えて3つ目には、埼京線、京浜東北線、湘南新宿ラインなど多くの路線が利用できて駅前にスーパーや大規模商業施設・商店街がそろうという利便性の高さもありそうです。
安くておいしい飲食店といえば、赤羽には「丸健水産」という有名おでん屋があります。5~6年前に初めて呑兵衛の同僚に連れて来られてから、年数回は一緒に来ていましたが、TVでも度々紹介されて、年を経るにつれて行列がどんどん長くなっていきました。
おでんはとてもおいしいのですが、飲めない身としては、一人でふらっと立ち寄るには敷居の高い店です。こういうところで軽く一杯やりながらおいしいものを食べられるのは酒呑みの特権ですね。「孤独のグルメ」の五郎さんは下戸でありながら色々なお店に突撃しますが、現実には気おくれします。
この日は、丸健水産のある一番街を通り過ぎて、東京メトロ南北線の赤羽岩淵駅近くで待ち合わせです。駅から5分も歩けば、駅前の喧騒が嘘のように静かな町になります。駅の反対側、西口には高台が広がっていて、都内で最初の大規模団地である赤羽台団地もありますので、東京北部のベッドタウンとしての性格もうかがえます。
赤羽は明治以降、陸軍が工兵隊や被服廠、兵器庫等の広大な施設を置き、軍都と呼ばれていたのだそうです。大勢の兵隊の入隊や除隊、休暇や家族の面会などのために、旅館や飲食店みやげ物店、娯楽場などが立ち並び、今の歓楽街の元になったのだとか。なるほどちょっと猥雑な赤羽の飲み屋街は兵隊相手の商売の名残であり、上記の団地等は陸軍施設の跡地利用なんですね。
以前は風俗店も多かったんだそうですが、東京都は取り締まりが厳しくなって、荒川を越えた埼玉県側の西川口とかに移って行ったんだとか。その西川口も今や風俗店はほぼ壊滅して、結構本気のチャイナタウン化しているようです。一度行ってみたいなあ。