昨年秋に引き続き、文楽の東京公演を見に国立劇場に行ってきました。
新型コロナウィルスの件が心配ではあるものの、コロナ発覚前から予約していたものですから、マスクや除菌ジェル等でできる限りの用意をして夫婦で行ってきました。しかし会場は平日昼間の部にもかかわらずほぼ満員で、あまり影響は感じられませんでした。流石に殆どの人がマスクはしていましたけどね。
でも行き帰りの電車では、マスクをしている人としていない人の割合は6:4とまではいかないものの、7:3程度にとどまっている感じで、それぞれの意識の差は感じますね。マスクが入手困難ということもあるんでしょうが、、。
天気は今一つでしたが、国立劇場の庭の梅もきれいに咲いていて、御婦人方は和装の方も多く、春を感じました。
文楽公演は、「新版歌祭文(しんばんうたざいもん) 野崎村の段」と「傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 土佐将監閑居の段」の2本立てです。
「新版歌祭文」は昨年秋に見た「心中天網島」とおなじく江戸時代の心中事件を題材にした人形浄瑠璃=文楽、歌舞伎の演目で、「傾城反魂香」は絵師狩野元信や土佐将監を巻き込んだお家騒動を近松門左衛門が描いた、これも人形浄瑠璃、歌舞伎の演目です。
パンフレットの写真は、勧進帳の場面だと思います。
文楽は国立劇場の小劇場で演じられ、小劇場というだけあってそう広くはありません。最後列でも18列ですが、何せ人形劇ですから後方からでは小さな人形の仕草等はよく見ることができません。前回の座席は16列で、これを痛感しましたので、今回はオペラグラスを準備していました。
下の写真のモデルで色も同じです。小さいので持ち運びにも便利で、使用時にも周囲の人の邪魔になりません。それでも10倍の倍率を備えていて、今回は12列目だったのですが、人形の細かな動きまで見分けることができ十分満足しました。
和装の女性が多かったということは書きましたが、私の隣を含め周囲にも和服の方が多く座っておられました。皆さんお知り合いのようで開始前には常連というオーラを発散させて、お互い活発に会話しておられました。ところが開演後しばらくすると静かに首を垂れてお休みモードに皆さん入られて、山場や演者交代の拍手の時だけ何事もなかったかのように拍手する、ということの繰り返しでした。何のために来られてるんだろうと、帰り道家内と不思議がったものです。
確かに我々のような素人には義太夫の語り口は聞き取りにくく、現代劇に慣れた者には筋運びも悠長でまだるっこしいのは確かで、ついうとうとしそうな場面はありますが、寝入ってしまうほど興味がないのなら、このご時世でもあり私だったら行かないですけどね。