シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

9年前の3月11日

 

もう9年も経ったのかという思いですが、東日本大震災当日の14時46分、私は品川区にある会社のオフィスで執務中でした。

 

昼食後、午後の勤務が始まってしばらくしたところで突然大きな横揺れに見舞われ、座っていたにも関わらず前後左右に大きく揺さぶられ、デスクにしがみつきました。窓際の席でしたので思わず外を見ると、ちょっと離れたところにあるマンションが目に見えて揺れているのがわかります。私のオフィスは7階ですのでまだその程度でしたが、高層階にある研修室での揺れは相当凄かったみたいです。

その時はてっきり関東近辺が震源地だと思ったのですが、同じフロアの近い位置に広報部門があって、常時NHK他のTV放送を流しっぱなしですので、すぐそこに行ってみて、震源は東北だということがわかりました。そんな遠隔地でこの揺れであれば震源地付近では大変なことになっていそうだと感じました。

余震は連続して起きていたものの、震源地から遠いということがわかり、その後一旦社内は平静を取り戻して、私も予定されていたミーティングに参加するような余裕も生まれていました。1995年の阪神淡路大震災の教訓から建物の耐震工事も進んでいて、建物倒壊もそう多くはなさそうという第一報が多かったのも事実です。

ところが1時間もしないうちに、津波が各地を襲い始め、TVで刻々と伝えられるヘリ等からの映像で、そいうった楽観論は吹き飛ばされました。広報部のTVの前に立ち尽くして皆言葉を失っていったことをよく覚えています。何か映画を見ているような、悪い夢を見ているような感覚に襲われました。その数年前米国で9.11同時テロが起きて、ワールドトレードセンターに航空機が突っ込んでいった映像を見た時と同じような感覚でした。

 

社内には早々に緊急対策本部が立ち上がり、現地拠点の安全確保、支援体制の検討、従業員の安否確認と安全確保、全社的な営業継続の態勢づくり等々が動き始めました。対策本部が置かれたのが、我々の席のすぐ隣にある役員会議室でしたので、震災発生から対策本部解散までの数か月間は我々の部門での臨場感も相当なものでした。

それと並行して、都内においても相当被害が出ていることが判明してきて、交通機関のマヒも伝えられ始めると、本社社員の安全確保等も課題となってきました。徒歩で帰れる社員は、安全が見込める場合や家族のことで帰宅が必要な場合は順次帰宅させ、あとは無理せずオフィスでの宿泊準備を指示しました。翌日が土曜日だったこともあって、多くの社員が無理に帰宅せずオフィスで一夜を明かしましたが、1Fにある2軒のコンビニでは、カップ麺、おにぎり、弁当、パン、飲料水等はあっという間に売り切れて、店内は空っぽになっていました。

これはこの時だけのことではなく、都内近郊ではコンビニを始めとした小売りチェーンの物流インフラがズタズタになり、この後相当期間都内近郊の小売店から商品が消えてしまいました。特にその後の原発問題もあって、水の不足は首都圏でも長期化しましたね。

原発問題は本当に深刻で、自衛隊ヘリによる放水や、ハイパーレスキューによる放水が成功するかどうか予断を許さなかった時点では、ウチの会社でも、社員や家族の避難受入の準備や、最悪本社の大阪移転まで真剣に議論していました。

 

私もオフィスで一晩泊まり、翌日運転を再開した地下鉄や私鉄を使って(JRはまだ動いていなかった)、千葉の自宅まで帰りましたが、殺人的な混雑の上に動いては止まりの繰り返しで、通常1時間半で帰れるところを、5時間かかってようやく帰宅しました。
家族はというと、地震発生時には家内と中学生の娘が在宅中で、二人は2匹の猫をケージに押し込んで、揺れが収まったのを見計らって、自宅近くの総合病院の広い駐車場にクルマで避難していたそうです。高校生の息子は、学校近くのスタジオでバンド練習の真っ最中で、電車が復旧するまで最寄りのバンドメンバーのお宅にお世話になっていました。
翌々日、月曜日の出勤をどうしたかは覚えていないのですが、交通網が寸断されていたこともあって、最初の頃数回はバイクで通勤しました。当時ApriliaのmanaというCVTオートマチックバイクでしたので、大渋滞の首都高や一般道では大助かりでした。

 

9年が経ったとはいえ、福島の復興はまだまだこれからで、現地の皆さんの苦労は私には計り知れないものがあるでしょうが、一年に一度はこういったことを思い出して、記憶を風化させないようにしたいと思います。

 

 

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