表題の「宇宙英雄ペリーローダン」というSFシリーズをご存じですか?
1961年にドイツで刊行された、SFとしては世界最長のシリーズで、第1巻の著者、KHシェールをはじめとした複数の草案作家の構想に沿って、多くの作家によりリレー形式で今もつなげられています。日本ではハヤカワSF文庫から、2話1巻の形で1971年に発行が始まり、2019年12月時点で実に607巻(1214話!)となっている超長編です。
宇宙英雄ローダン・シリーズ 電子書籍版〔合本1〕 宇宙英雄ローダン・シリーズ 電子書籍版〔合本〕 (ハヤカワ文庫SF)
- 作者:K H シェール他
- 発売日: 2017/07/21
- メディア: Kindle版
若い頃、星新一のショートショートや、ロボット工学三原則で有名なアイザック・アシモフのロボット物を読んではいましたが、そこまでSF好きというわけではありませんでした。
それが、1980年前後、社会人になって4年間の韓国駐在時に年数回の帰国で実家に帰った際、親父がこの「ローダンシリーズ」を読んでいることを知りました。親父は当時天体観測や写真撮影を趣味としていて、この手のSFも沢山読んでいたみたいです。この時点で文庫で50~60巻、100~120話が発行済みで、もう既に超大作ですが、それで終わりではなくまだまだ続いていく壮大なスペースオペラだと聞いて興味を持ち、ちょっと借りて1巻を読み始めてすっかりはまってしまいました。
数日間の日本滞在後はまた韓国に戻るわけですが、その際にはトランク一杯に、日本食、衣服、薬、本、ミュージックカセット(懐かしい!)などを買い込んでいきます。特に食料と本、音楽は現地生活を豊かにするために重要です。この時はもちろんこの「ローダンシリーズ」最優先で、まずは10巻くらいまでを買い込んで行きました。10巻といっても文庫ですから、すぐ読み終わります。飲みに連れ出されない限り夜は暇ですから、1週間程度で読み終えたような記憶があります。とはいっても次の帰国までには数か月ありますから、その間次が読みたくて仕方ありませんでした。その後確か1年半位で駐在は終了し日本に戻りましたので、それまで3~4回の一時帰国の機会があり、その都度10冊あまり買い足して持って行きました。
ですから帰国時には50巻くらいまで読み進んでいたことになりますが、年表で見てみると当時ハヤカワ文庫では80巻くらいまで発行されていたようで、帰国後も結構毎晩のようにこれを読んでいました。更に当時は大体月1巻ペースで新刊が出ていましたから、追いつくのに数か月はかかったはずです。
その後数年して私が転職して仕事が忙しくなったこともあり、しばらく放置していて、また思い出したように買い集めて読み耽り、ということを繰り返すうちに段々間隔があき、150巻前後でいつの間にか途切れ、そのままになっていました。
そして数十年経ち、定年後暇になった私がKindle等をあさるようになって、この懐かしい「ローダンシリーズ」が今も続いていること、Kindle版で発行されていることを知ったのです。勿論殆ど筋も忘れていますし、150冊程度あったはずの文庫版もとっくに処分してしまっています。ものは試しと第1巻「スターダスト計画」を購入して再び読んでみたのですが、読み進むたびに懐かしさがよみがえります。勿論原案が1961年ですから、原子力を夢の動力のように描いていたり、現在の科学水準からして陳腐な表現も多いですが、それはスターウォーズの第1作を見直す時も同じ感覚です。
そしてKindle版でも10巻20話くらいまで読み進み、さて今後どうするか?と今は考えているところです。このまま追っかけても1200話まで追いつくことは、若いころならいざ知らず、まず今の読書ペースでは難しいでしょうし、現在でも年10巻ペースで新刊が出てますから。
私にとってはこのシリーズがSF、そしてスペースオペラというものに興味を持ち、レンズマンシリーズや、アシモフのファウンデーションシリーズ等に進むきっかけをくれたものでしたから、追いつくことはできなくてもKindleならいつでも買えますし、気が向いたときにボツボツ読んでみようかなと思っています。
まだ若く、1200話に追いつく自信のある方、どうです?挑戦してみませんか?