シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

船旅について

 

先日、東京湾周回ツーリングで東京湾フェリーに乗って、やっぱり船旅って良いなあと改めて思いました。

 

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関東に暮らしていると、ちょっとした旅行であっても船に乗る機会はそうそうありません。今回の東京湾フェリーにしても、乗りたいと思って乗らなければ、アクアラインで完全に代替できてしまいますし、あとは芦ノ湖の海賊船とか、墨田川や東京湾のクルーズ船、屋形船くらいのもので、これは旅気分にはちょっとなれない船ですね。

 

私は四国の出身で四国は島ですから、瀬戸大橋が1988年に開通するまでは、船はとても身近な存在でしたし、本州への唯一の交通手段でもありました。
今本州と四国の間には3本の連絡橋が架かっていて、一番東側が「神戸・鳴門ルート」真ん中が「児島・坂出ルート」西側が「尾道・今治ルート」で、この3本の総称を「本州四国連絡橋」と言います。瀬戸大橋とは真ん中の「児島・坂出ルート」の通称で、一番早く開通しました。他の2ルートは10年程遅れて、1998年、1999年の開通です。

 

私が子供の頃は橋はありませんでしたから、読売や朝日といった全国紙は本州で印刷した新聞を四国に船で送っていたのですが、海が荒れたり、霧が出たりすると届かないことがよくあり、それで四国にも印刷拠点を持つようになったと聞いたことがあります。
瀬戸内海は霧が多いことで有名なのですが、1955年、濃霧をおして出航した国鉄宇高連絡船(岡山の宇野と香川の高松を結んでいました)の紫雲丸が、貨物連絡船と衝突して沈没し、修学旅行生含め150名以上の死者を出しました。先年の韓国セウォル号事故のようなことが起きていたのです。
それ以降、瀬戸内海の海運各社は霧にはとても慎重で、濃霧注意報が発令されると瀬戸内海の海上交通は全面マヒ状態でした。

 

瀬戸内海に橋が架かったのは私が四国を出たずっと後の話ですから、私が暮らしていた頃の四国の生活は船抜きには語れません。上記の宇高連絡船は四国と本州を結ぶ海上の幹線ルートでしたがその他の航路も多く、更にモータリゼーションの進展と共に本州との間を数多くのフェリーが往復するようになり、クルマに乗り出してからは専らフェリーでの行き来でした。中でも関西から四国への帰省ではジャンボフェリーという神戸、高松間の中距離フェリーに随分お世話になりましたが、これらも本四連絡橋の開通以後は徐々に姿を消して行きました。しかし瀬戸内海に点在する島々には当時からもっと小さな連絡船やフェリーが通っており、これは今も変わらず島の人たちの生活の足として活躍しています。

 

また1960年から70年当時、関西汽船(商船三井系列を経て現在はフェリーさんふらわあ)が、瀬戸内航路という京阪神と九州を結ぶ観光航路を持っており、中でもくれない丸、むらさき丸は、瀬戸内海の女王と呼ばれていました。風光明媚な瀬戸内海を眺めながらの船旅で、今のような夜間便主体ではなく景色を眺められる昼間便が人気だったそうです。
私も阿蘇の親戚を訪ねるのに、高松を経由するこの客船に乗って別府まで何度か行ったことがあり、大型の豪華客船に乗ることが嬉しくてとてもワクワクしたことを憶えています。大型と言っても3000トン級だったようで、今からすると決して大きな船ではないのですがとても大きく感じました。
くれない丸は、ロイヤルウィングと名を変え、横浜港のレストラン船として今も現役です。船の寿命って長いですね。

 

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参照:https://www.mol.co.jp/casualcruise-sunflower/article/know/konjaku_06/くれない丸→ロイヤルウイング

 

関東に住むようになってからの船旅は、帰省旅行でのオーシャン東九フェリー(東京と徳島)、北海道ツーリングでの商船三井フェリー(大洗と苫小牧)、四国・九州ツーリングでのオーシャン東九フェリー(東京と徳島、北九州)が長距離フェリー。
ツーリング中の近距離フェリーとしては、国道九四フェリー(愛媛県三崎から大分県佐賀関)、島鉄フェリー(天草から雲仙)、桜島フェリー、伊勢湾フェリー(鳥羽と伊良湖)などですが、こうしてみるとフェリーには結構乗っていますね。
また船旅とはいえませんが、飛鳥Ⅱで文楽公演が催された時に、横浜港発着の2泊3日クルーズに乗船した事があります。本当は長期の海外クルーズに行きたいですが、それは夢のままに終わりそうですので、この豪華客船でのクルーズはいい思い出になりました。

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 近年船旅も見直されているようで、長距離フェリーは続々と新造船を投入しています。鉄道もそうですが、ビジネス等で速さを求める人と、移動そのものにも楽しさを求める人双方へのアプローチが増えてきていると思います。
ただ「ななつ星」や「四季島」などのクルーズトレインは、あまりの高額でおいそれと乗ることはできませんし、それはクルーズ船も同様で、もう少し手頃な価格設定をしてもらえないものでしょうかね?

 

 

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