シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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ミヒャエル・エンデ著「モモ」を読みました。

 

一人ゆっくり起きて朝食を食べにリビングに行くと、妻がNHK BSの「コロナ新時代への提言」という番組を観ていました。
私も朝食を食べながら何となく観始めたのですが、そこで取り上げられていたのが、ドイツのミヒャエル・エンデが書いた児童文学「モモ」だったのです。

 

三人の知識人が、コロナによって今後変わらざるを得なくなってきた社会について、この「モモ」を題材として語っていく内容で、私も徐々に引き込まれて、最後まで観てしまいました。

 

聞いてみると、妻はこの「モモ」を以前から持ってはいたものの、未だ積読状態で放置しており、たまたまこの番組で取り上げられることを知って、観てみようと思ったのだそうです。その本を見せてもらうと、番組で使っていた絵本版ではなく岩波少年文庫版の小説で、文庫と名はついていますがサイズは通常の文庫本より少し大きく、新書よりはちょっと小さいです。岩波少年文庫は、息子や娘が子供の頃に買っていた覚えがありますが、約20年振りで手に取りました。記憶には残っていませんが、自分が読んだ経験となるとそれこそ50年以上前なのではないかと思います。
余談ですが、この文庫は別に男児専用という訳ではなく、少年少女向けだと思うのですが、何故「少年」なんでしょう?一時期は岩波少年少女文庫としていたらしいのですが、その方が今のご時勢良いんじゃないですかね?

 

 


妻は他に優先順位の高い本があり、今日の番組で随分順位は上がったけれどまだ上位には入らないというので、私が先に読ませてもらうことにしました。
妻は、今でこそKindleでの読書もしていますが、基本は紙での読書派で、他にも積んでいる本が結構溜まっています。彼女は大抵の場合それを複数同時に読み進めるのですが、まだこの「モモ」はそこには入らないんだそうです。私は紙よりも電子書籍派で、同時進行はあまり好きではなく一冊を読み終えてから次に移るという読み方です。夫婦で読書スタイルはまるで違います。

 

私にも今読みかけている本はあるのですが、真面目な内容の長編ですのでちょっと疲れ気味でもあり、いつもの習慣を変更してこの「モモ」を先に読むことにしました。

 

児童文学だけあって難しい表現はされておらず、すらすらと読めます。しかしこの本のテーマ自体は結構重く、時間とか、生と死とか、なのだと思います。
作中では亀が結構重要な役割で登場するのですが、亀はその長寿から、洋の東西を問わず時間や知識の象徴とされることが多いみたいですね。亀も含めてちょっと浦島太郎と類似した部分もありますし、チャップリンのモダン・タイムスを思い出す場面もあります。

 

3人の識者は番組中で、人々の8~9割がモノは十分にあると答える(先進国の場合)現在にあって、モノの生産高を計るGDP成長率に何の意味があるのか?とか、ベーシックインカムの整備等で、好きでもない仕事に高報酬で釣られる人が居なくなれば、今のビジネスモデルは成立しなくなるとか、ビジネスは歴史的使命を終えたとか語っていて、朝から結構刺激的でした。

 

現役の忙しかった頃にこの本を読みこの番組を観たなら、今以上に納得したのか、反発したのか、我ながら興味があります。

 

 

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