シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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バイクと自転車の将来

 

バイクと自転車の将来について聞かれれば大抵の人は、バイクは悲観的だが自転車の将来はまあ安泰じゃないかと答えるのではないでしょうか。私もそう思います。

 

バイクと自転車というタイトルを付けましたが、バイクとは本来自転車を意味する言葉で、英語ならモーターサイクルまたはモーターバイクですかね。確かに自転車はバイシクル(バイク)と習いましたし、本格的な自転車乗りの人の中には愛車のことをバイクと呼ぶ人もいますね。またオートバイというのも和製英語だそうですし、英語ではありませんが、昔は二輪車なのに「単車」と呼んだりもしました。これはサイドカーが一般的な乗り物だった頃、側車を外した、まだ少数派の二輪車が「ソロ」または「単車」といわれ浸透していったからなのだそうです。色々呼び名はややこしいですが、ここではやはり一般的な呼び名で、オートバイをバイク、自転車は自転車と呼ぶことにします。

 

元々バイクは人力で走る自転車に動力を付けることから始まりました。原動機付自転車という名前にもそれは残っています。私が小さい頃は、そのものズバリの動力付き自転車がまだまだ走っていて、ホンダもこれで成長の基礎を作ったのです。

 

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参照:https://young-machine.com/2018/08/06/11450/

 

写真は「カブF型」といいますが、自転車の車体はホンダ製ではなく、自転車屋でホンダから取り寄せたエンジン一式を手持ちの自転車の車体に取り付けたのだそうです。白のタンクと赤のエンジンカバーがなかなかお洒落です。スーパーカブのご先祖様ですね。

 

どこに行くにも自転車を漕いで行かなくてはならなかった当時、エンジンの力で坂道も進んでくれるバイクはとても快適で便利な乗り物として歓迎されたと思います。ところが時がたち四輪車が普及してくると快適さ便利さではバイクは四輪車には及びません。雨にも風にも負けず、家族全員が一度に移動できるのは四輪車ならではで、自転車大国だった国がまずはバイク社会となり更にクルマ社会に発展していくのは日本以外でも良く見る光景です。要は利便性で中途半端になったからということですね。

 

更に利便性ということでは、自転車の方が有利なこともあります。それは運転免許の要否です。原付免許は普通自動車免許に付帯してきますし、取得自体難しくはありませんが、正直制限速度30kmで、ヘルメットも必須、二人乗りもできず、大きな交差点では二段階右折等々制約が多すぎて、都市部なら今どきの電動アシスト自転車の方がよっぽどましと考えても不思議ではありません。価格も相当違いますし、お母さんが保育園まで小さなお子さんを送り迎えする、という場面を想定しても勝敗は明らかです。そのための装備さえされていれば、三人乗りだってできるんですから。

 

近年、原付二種(125ccまで)の免許も随分取りやすくなったようで、「AT小型限定普通二輪免許」の場合、普通自動車免許を所有していれば、1日4時間の実技教習×2日=計8時間で免許の取得が可能となったそうです。普通自動車免許を持っていない人でも、教習所卒業後、試験場で筆記試験に合格すればOKです。これなら二人乗りも可能で、制限速度も60km/hと周囲のクルマの流れに乗った走行ができます。
ただそれでも免許不要の電動アシスト自転車には敵わないような気がしますし、逆に言えば、電動アシスト自転車は免許不要で、しかも装備によっては三人乗りもできる、というのは不合理だと思います。
電動アシスト以外でもロードタイプの自転車は30km/hくらいは楽に出ますし、クルマに乗っていて、対原付よりも対自転車で怖い思いをすることが多いのは私だけでしょうか?まあロードタイプの自転車でカッ飛んでいる人も、電動アシスト自転車でお子さんを乗せている奥さんも、現在では殆ど何らかの運転免許を保持しているでしょうから、自転車に乗り始める子供も含めて、何らかの許可制度は必要なんじゃないですかね?

 

快適性、利便性で四輪に負け、一部利便性では免許不要の自転車にも負け、というバイクは今では我々ジジイ世代の趣味の対象となっています。今後バイク業界がどちらの方向に振ったアプローチをしても恐らく勝ち目はなく、結局は趣味の世界で生き残るしかないと思いますが、先日も下の記事で書いたように、バイクでしか得られない「操縦感」は間違いなくありますので、何とか生き残って、完全に淘汰されてしまわないことを祈ります。

 

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