シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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尿素水とは?

 

少し前に、韓国で尿素水が不足して物流や工業が大混乱という記事を読んで、そもそも「尿素水」って何?となりました。聞いたこともなかったのですが、ディーゼルエンジンにとっては重要なものなんですね。例によって中国への依存度がとても高いもののようで、その頃は中国依存度が韓国に比べて低い日本は大丈夫だとの論調だったのですが、そうでもなかったようです。

 

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「尿素」とは文字通り尿の素ですから、尿素水なら小便を加工したものなのか?と、はやとちりしてしまいそうになりましたし、それが科学技術のかたまりであるディーゼルエンジンと関係することは連想ができませんでした。
しかし上の記事によると、尿素水とは化学メーカーの工場で二酸化炭素とアンモニアを合成して作られる尿素に、純度の高い純水を加えた化学製品のことなんだそうで、まあ小便などでないことは当然と言えば当然です。

 

ちなみに尿素水は二酸化炭素とアンモニアで合成するとなっていますが、我々の体内では、食事によって取り込まれたたんぱく質が、消化により分解されてアンモニアを作り出します。アンモニアは肝臓で「尿素」という無害な物質に作り替えられ、尿として排泄された「尿素」は細菌によって分解されて再びアンモニアになるんだそうです。ですから我々が小便から連想するアンモニア臭は元々の尿素の匂いではないんですね。

 

そしてその尿素水は、ディーゼルエンジン本体ではなくその排気を浄化するために必要なもので、「尿素SCRシステム」という装置で使用されます。元々火力発電所などの排気ガス処理に利用されていた仕組みを、日産ディーゼルが自動車用に開発したのだそうです。工場などでは直接アンモニアを使うこともあるのだそうですが、アンモニアは濃度が10%を超えると劇物指定されるほど毒性が強くクルマに積むことができないので、尿素を分解してアンモニアに変える方法を使うのだそうです。二酸化炭素とアンモニアで合成した尿素を再び分解して使う訳ですから面倒くさい話ですが、尿素はハンドクリームにも使用されているように、人体にはまったく無害ですから扱いが容易で、事故の際に漏れても安心ということです。ただ、漏れると後で強烈な臭いを発するので補充はプロに任せた方がよいとの記事も読みましたが、これも人間の尿と同じ理屈なんですかね?

 

尿素SCRシステムは1992年に公布された自動車NOx・PM法によって規制されるNOx(窒素酸化物)の排出を抑制するための装置で、そこで使われる尿素水は一般的に「アドブルー(AdBlue)」というドイツの商品名で通っているそうです。ホッチキスやタッパー、バンドエイドみたいなものですね。「アドブルーに限る」と注意書きがあることも多いそうですが、それ以外にも尿素水はあり、JISの規定をクリアしていたらアドブルーじゃなくても故障することも罰せられることもありません。そういえばベンツのディーゼルは「ブルーテック」という名称ですが、このアドブルーから来てるんですかね。

 

元々大型車のディーゼル用に始まったのですが、ベンツや三菱のデリカD:5、トヨタのハイエース等小型車にも搭載は進んでいます。私は1990年代初めに知人から譲り受けたゴルフⅡしかディーゼル車の経験はなく、まだその時はNOx・PM法も公布前でしたし、こういった装置には無縁でしたが、フォルクスワーゲンも現在ではこの尿素SCRシステムを導入しているのだそうです。

 

私は、古いハイエースでも買って車中泊仕様にして、桜の開花を追う旅をするのが目下の夢なのですが、ディーゼルだとこの心配もしなければいけないんですね。でもゴルフⅡと同じ位に古いクルマならいいのか、、。

 

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