シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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4月8日は灌仏会(かんぶつえ)、花まつりの日でした。

 

4月8日は灌仏会(かんぶつえ)、花まつりとも呼ばれて各地のお寺ではお祭りが行われます。お釈迦様の誕生日なんですね。

 

12月25日のクリスマスがイエス・キリストの誕生日だと知らない日本人はまずいないでしょうが、4月8日がお釈迦様の誕生日だとわかっている人は今どれほどいるのでしょう。かくいう私もすっかり忘れてしまっていて、殆ど新知識といっても良い位でした。子供の頃は田舎のお寺でも花まつりという行事は行われていたと思うのですが、殆ど記憶にはありません。

 

それにしてもクリスチャンでもないのに、クリスマスやイースター(復活祭)に盛り上がり、更にはハロウィンというキリスト教とは直接関係のない外国のお祭りまで楽しんでしまう日本人が、より関係が深いはずの仏教系や神道系の行事に殆ど無関心なのは面白いです。
欧米信仰というか、西洋好きな日本人は、後進地域であるアジアを脱して欧米列強の一員となることを目的とした、明治期の「脱亜入欧」というスローガンや思想をそのまま今でも引きずっているのかも知れません。単なる白人コンプレックスのような気もしますが、、。

 

私も例外ではないと書きましたが、この日愛車POLOの定期点検で出掛ける途中、ラーメンを食べに寄った店の横にある観音寺というお寺の門前に露店が出て「花まつり」というのぼりが何本も立っているのに気付きました。
この時点でも花まつりが何だったのか思い出していなかったのですが、何だか面白そうですので帰りに寄ってみることにしました。

 

駐車場には関係者であろうと思われる車両以外には一台も停まっておらず、やはり認知度の低さが感じられます。
駐車場近くに花で飾られた小さな御神輿のようなものが安置されていましたが、これを花御堂と呼び、中には茶色い液体(これが甘茶というやつです)が溜められた容器とその真ん中に小さなお釈迦様の立像が置かれています。このお釈迦様の像に小さな柄杓で甘茶をかけてあげるのです。

 

灌仏会の灌仏とは、このお釈迦様に甘茶をそそぎかける作法を指すのですが、なぜこのようなことをするのかというと、「お釈迦さまが産まれた瞬間に、産湯を使わせるために9匹の竜が天から清浄の水を注いだ」という伝説から由来していて、 無病息災を祈る という意味があるようです。
また花御堂の中の誕生仏は、お釈迦様は生まれてすぐに立って歩み、右手で天をさし、左手で地をさして「天上天下唯我独尊」と唱えたとされていて、その姿をかたどった像で、童子の形にあらわされています。

 

これらは付近の掃除をしていた青年僧にお聞きしたことと、花御堂に添えられていた説明書、ネットからの知識であり、冒頭書いたように殆どは新知識と言って良い程でした。

 

肝心の花御堂の写真を撮り忘れましたのでネットから拝借しましたが、このお寺の花御堂もこれくらいの大きさの可愛いものでした。

 

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参照:横浜本覚寺のHPより

 

そしてお釈迦様にかける甘茶ですが、これはヤマアジサイの一種「小甘茶(こあまちゃ)」 の葉を煎じてつくったお茶だそうで、色合いは緑ではなく茶色っぽい感じで、烏龍茶に近いです。味は強い甘味があり砂糖なしでもこの甘さ?とびっくりする程なのだそうですが、癖が強いという記述も目にしました。

 

 

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この後境内をゆっくり散策し、上の写真の通り綺麗に咲いたツツジ(だと思うのですが、、?)を眺めて帰って来ましたが、この観音寺というお寺は牡丹や藤でも有名だそうで、もうしばらくすればそれも見頃となるみたいですから、今度は妻も誘って見に来ようと思います。

 

2022年4月13日追記

今回灌仏会のことを調べてみて、面白い話を見つけましたので追記します。
最近はあまり使わない言い回しですが、モノが壊れた時、例えば「エンジンがオシャカになった」などと表現することがあり、昔からなぜここでお釈迦さま?と不思議でした。
いくつもの説があるようですが、一番面白かったのが、「火が強かった説」です。鋳物工場で溶接を行うとき、火力が強すぎてはんだが流れ、接着に失敗。それを「火が強かった」「シ(ヒ)ガツヨカッタ⇒シガツヨッカダ⇒4月8日だ」に引っかけたというものです。この人江戸っ子だったんですかね?
当時は今と違って4月8日は灌仏会=お釈迦さまの誕生日という連想は普通に働いたのでしょう。そこで不良品や壊れたもののことを「オシャカ」と呼ぶようになった、、。
あまりにも面白いので、多くの語源の本にも引用され、テレビのクイズ番組でも「正解」として紹介されることがあるそうですが、風が吹けば桶屋が、、的に回りくどいので作られた話という説も根強いのだとか。
単純に、「あっ失敗した、この製品はだめになった」⇒「壊れた=死んじゃった=仏になった」⇒「お陀仏になった」と言うべきところを、「お釈迦になった」と言い誤ったという方が自然だというのですが、確かに面白味には欠けますね。 

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