シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

町中華のこと

 

いわゆる町中華に属する料理店がわが街にもあって、結構お世話になっているのですが、私はそこのレバニラ炒め定食(下の写真)が殊の外お気に入りで、この店に行くと4回の内3回以上の確率でこれを食べています。事前に揚げてある(と思うのですが)レバーによく味が染みていて、とてもおいしいのです。

 

 

私がレバニラ炒めを初めて食べたのは大学に入学して上京し、外食生活となった時の事です。それまで祖母と暮らしていた私の食生活はやはり魚・野菜が中心でしたし、カレーやとんかつといった洋食系はともかく、中華系はほぼ食卓に上りませんでしたから、中華のこってりした味には嵌まりました。野菜炒め、八宝菜、レバニラ炒め、麻婆豆腐、酢豚、エビチリ、チャーハン、中華丼、そしてもちろんラーメン、餃子も。ただこれも定番の天津飯(麺)だけはあまり好みではなかったです。

 

当時私が通ったのもやはり町中華で、当時は貧乏学生御用達のこういった店が沢山ありました。昔は町中華などという言葉もありませんでしたから単にラーメン屋、中華料理屋などと呼んでいました。
丸いスツールが並んだちょっと背の高いカウンターと、2~3台のテーブルというこじんまりした店が多かったですが、学生時代には本当にお世話になりました。
カウンターに座って備え付けの週刊誌や漫画本を読みながら、カウンターの中で大将が中華鍋を振って料理を作るカンカンという音やジャージャーという音が聞こえている、という場面が思い出されます。

 

ちなみに「御用達」の正しい読み方ですが、私は長い間そのままの読み方の「ごようたつ」だと思い、そう読んできたのですが、ある時それは間違っている、「ごようたし」が正解だと指摘され、恥ずかしい思いをしました。ただ、今ではどちらも正解と言われているようで、本来の読み方は「ごようたし」ですが、「ごようたつ」も”慣用読み”と呼ばれる読み方として正解なのだそうです。慣用読みというのは、誤った読み方の人が増えて広く定着したのでその誤った読み方についても間違いではないとされた読みのことで、何だかおまけの正解みたいではあります。

 

町中華という言葉が定着してきたのも最近の事だと思うのですが、Wikipediaによれば、「町中華」としての明確な定義はなく、強いていえば、「昔から続いている町の中華料理店」「個人営業やのれん分けでやっている店」、「地域に根ざした大衆的な中華料理店」のことで、大衆中華料理店若しくは中華屋とも呼ばれる、とのことです。
メニューや見た目などからの定義も難しく、「昭和以前に開業」「1000円以内で満腹」「多様なメニュー」「マニュアルがない」「店主が個性的」等を挙げる例も紹介されていました。
個人的には、そんなにひねくり回さなくても単純にチェーン店以外の大衆中華料理店(要は安い手軽な中華料理店)という定義で良いと思うのですが、それに加えて、町の洋食屋と同じように日本化された中華料理を提供していることも高級本格中華料理店との違いでしょうか。

 

町中華というと、化学調味料をどっさり使っているから体には良くない、という意見もよく目にします。確かにカウンターから調理風景を眺めていると、小さなボウルで並べた塩、〇の素、片栗粉、醤油、ごま油、酢などを中華お玉ですくって結構豪快に料理に投入しているのは見えていました。そんなに〇の素入れるの?と思ったことも事実です。

 

しかしその後〇の素の生産工程について聞く機会があり、そもそも原料は100%植物原料であり、日本ではサトウキビを味噌・醤油と同じような発酵をさせてアミノ酸のひとつであるグルタミン酸ナトリウムを作っている事を知りました。化学調味料という言葉で抱く印象とはかなり違いますが、これは昭和30年代にNHKの料理番組で、公共放送の立場上製品名では呼べないため、一般名称として「化学調味料」が使われていた名残りであり、現在では「うま味調味料」と呼ぶ事になったのですが、まだ過去の影響は大きいようです。
当時は「化学」という言葉は未来的で肯定的ニュアンスの言葉だったものが、現在では人体に悪影響を及ぼす否定的なニュアンスに変わってしまったのも響いていますね。

 

この旨味を出すために高級料理店なら様々な高級食材を惜しげもなく使って料理を作れるのでしょうが、大衆料理店である町中華でそれはできません。
お手軽に旨味を出しているというのは事実でしょうが、上記の説明を聞いてからは体に悪いということは無いと考えるようになり、家庭でも結構使います。
これについては賛否あるでしょうから、あくまでも私の個人的な意見として。

 

プライバシーポリシー お問い合わせ