シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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「のさ言葉」知ってますか?

 

ある歌手の曲に「~のさ」というフレーズが異常に多いなと感じたので、一体何回登場するのか調べてみた、というブログがありました。
私自身その歌手には全く知識も興味もなかったのでタイトルとリード文を見ただけなのですが、それをきっかけに小学校の頃はやった「のさ言葉」というのを思い出しました。

 

単語の二文字目に無条件で「のさ」を挿入するという単純なものなのですが、素早く頭の中で組み立ててよどみなく話すにはそれなりの熟練が必要で、うまくできる奴は尊敬されました。

 

これは、「挟み言葉」という言葉遊びの一種として認められているものだそうで、正確に言えば、単語(分節)の第1音節と第2音節のあいだに「のさ」を挟むもの、となります。「の」は第1音節に、「さ」は第2音節につけて発音してアクセントを上手に操ると、第三者には理解しにくいという意味では、暗号的な役割を果たすことができる、と説明されていて、確かにそんなアクセントでしゃべってました。
挟み言葉は江戸の中期頃から庶民のあいだで流行っていたのだそうで、「のさ言葉」以外にも、あ段の音節の後に「か」を、い段の音節の後に「き」を付けるといったように、か行を挟むものがあって、例えば「きゃく」であれば「き(き)ゃく(く)」,「ねこ」であれば「ね(け)こ(こ)」となります。 

 

「のさ言葉」は、第1音節と第2音節のあいだに「のさ」を挟むと書きましたが、上の「きゃく(客)」の場合は、「きゃ(のさ)く」となり、「き(のさ)ゃく」ではありませんし、「しゃかい(社会)」なら「しゃ(のさ)かい」となります。しかし、同じく小さな「っ」が付いても「がっこう(学校)」は「がっ(のさ)こう」ではなく「が(のさ)っこう」となります。何故なんでしょう?私はこれを理屈ではなく体で覚えているだけなのですが、これを文法で説明づけるものがありました。

 

ここで昔習った、促音(そくおん)・撥音(はつおん)・拗音(ようおん)・長音(ちょうおん)というのが登場します。
促音・撥音・拗音・長音は、どれも普段何気なく使っているひらがなのルールですが、改めて調べてみると「へえ~」という事の連続でした。それがどんなものなのか例をあげて説明したものがありましたので、「のさ言葉」での使い方を織り交ぜて紹介してみます。 
           

促音とは「いった(行った)」「はっぴょうかい(発表会)」「ラッキー」など、小さな「っ」「ッ」で表されている音のことです。上の「がっこう(学校)」は促音ですね。
促音自体がはっきりと発音されることはありませんが、小さくつまったような音があります。また、促音には母音はないものの、一拍分の長さを持つのが特徴。そうした性質から、特殊音節と呼ばれています。
ですから「がっこう」の場合は「が」が第1音節、「っ」が第2音節となり、「が(のさ)っこう」となる訳です。

 

一方、拗音とは「きょうしつ(教室)」「しゅうじ(習字)」など、2字のかなで表されている音のことで、上の「きゃく(客)」はこれです。この場合だと「きょ」「しゅ」「きゃ」が拗音にあたりますので、2語は一体で第1音節となります。よって「きょうしつ」は「きょ(のさ)うしつ」となります。
なお小さな文字の「ゃ・ゅ・ょ」は、いの段(き・し・ち・に・ひ・み・り・ぎ・じ・び・ぴ)の文字の後ろにつくのが決まりだそうで、確かにそうなります。


この二つで説明はついたのですが、ついでに残った二つの解説も。
撥音とは「飲んだ」「にんじん」「べんきょう(勉強)」などの「ん」で表されている音のこと。鼻にかかるような音で、撥音も促音と同じく母音はありませんが一拍の長さを持っています。撥音も特殊音節のひとつです。
そして長音とは、母音を通常の倍伸ばす音のこと。平仮名だと「いもうと」「おかあさん」などで表記されることば(「う」「あ」)が長音となります。カタカナだと「シール」「ロープ」など「-」で統一されることが多いですが、最近のアニメなどでは子供言葉の表現として「おかーさん」「おとーさん」などとすることも多くなってきましたね。

 

「のさ言葉」は私の故郷で昔はやったローカルな言葉遊びだと思っていたら、意外と歴史のある全国的なものだったことがわかり何だか感慨深いです。

 

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