シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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久しぶりの万城目ワールド:「バベル九朔」という小説を読みました。

 

万城目学(まきめまなぶ)の「バベル九朔」という小説を読みました。この人の作品で初めて読んだのは「鴨川ホルモー」で、ホルモーをホルモンだと思って読み始めたことを憶えています。

 

 

 

これで、いわゆる万城目ワールドというのものにはまり、その後「鹿男あをによし」「ホルモー六景」「プリンセス・トヨトミ」「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」「偉大なる、しゅららぼん」「とっぴんぱらりの風太郎」「悟浄出立」とすべて読んできました。

 

また「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」「偉大なる、しゅららぼん」は映画化もされましたから、それも全部観ました。中でも「プリンセス・トヨトミ」は豪華キャストで、綾瀬はるかが中々良かったです。


そしてついでの話ですが、この後公開された「本能寺ホテル」は、この「プリンセス・トヨトミ」とテイストが似ていて、いかにも万城目ワールドという作品です。そして監督や綾瀬はるか、堤真一という主要キャストも「プリンセス・トヨトミ」と同じなのですが、原作者は「なし」、となっていました。
それがその後、映画名は伏せたまま万城目氏本人のツイートで暴露話があり、
「オリジナルの作品として途中まで制作に携わっていたが全ボツを食らった映画がある。そのあとも映画は進行していたが、非常に重要なフレーズが映画で小ネタとして使われ、これが公開されてしまうと、私が小説を書いてもオリジナリティ・ゼロのものと扱われてしまう、つまり小説を書けなくなるので即座に抗議した。そもそも中途半端に踏襲された私の要素は全て削除するようプロデューサーに頼んでおり、前述の重要なフレーズについても同様だったのだが回答は「聞いていません」。相手の会社でも騒ぎになり謝罪したいとのコンタクトがあったが、撮り直しはしない、公開は強行する、という部分は変わず、結局私は小説が書けないままなのですべてお断りした。争うより次の作品に集中するのが大事だと考えた。なら、ツイートもするなよ、という意見もあるだろうが少しだけわがままをお許しいただきたい。(映画そのものには恨みはまったくないので、作品や相手の特定についてはごかんべんを)」
要約すると以上のような趣旨のものでした。闇が深いですねえ、、。

 

鴨川ホルモー

 

万城目氏の作品中では、最近作ということもああって「悟浄出立」が一番記憶に残っていました。題名から察しがつく通り、西遊記でお馴染みの沙悟浄が主人公なのですが、我々が持っている沙悟浄のイメージを覆す視点が新鮮でした。

 

今回の「バベル九朔」は久しぶりに読んだ万城目作品ですが、バベルという題名からはやはりバベルの塔をイメージしますね。
今回も万城目ワールド全開で、日常から非日常に引き込まれていくあたりのストーリーはとても面白かったです。しかし以前程には没入できない感じがしたのは、随所に出てくる「ボケ」と「ツッコミ」的な会話の応酬に醒めてしまったということが大きいと思います。万城目氏の作風が変わったのではなく、以前なら受け入れていた笑いのツボから私が歳取ってズレてきたんでしょう。最近とみに多くなったコミック原作のドラマに醒めてしまうのもそこに原因があるような気がします。

 

とは言ってもこれだけで判断はできませんし、万城目作品は他に「パーマネント神喜劇」「ヒトコブラクダ層ぜっと」「あの子とQ」と残っていますが、「パーマネント神喜劇」は既に文庫化されKindle版もありましたから早速購入しました。元々好きな作家さんでしたから、感性が合わなくなった訳ではないことを期待しています。

 

ケチですから、これまでも新刊は文庫化されるまでじっと待つことが多かったですし、電子書籍になってからは更に単行本価格を払う価値は見つけにくくなっています。紙の本なら装丁の豪華さとか大判で読みやすいとかメリットはいくつかありますが、電子版にはそれも一切ありません。買うとすれば、どうしても今読みたいという場合だけなのですが、文庫化される前に買うことはまずありません。

 

 

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