この日泊まった上士幌の道の駅はまだ新しくて施設も立派、とても居心地の良い道の駅でした。
急遽申し込んだ「タウシュベツ川橋梁」のツアーはここから20km程の糠平温泉郷が集合場所で、出発は翌日の早朝でしたから、この日は層雲峡の観光程度で済ませ、またここに戻って来る予定でした。
朝から雨が降り続いていましたが、ゆっくり道の駅を出て走り始めたところ、20~30kmも行かない内に強い睡魔に襲われ、途中にあった白樺林の中のパーキングエリアでクルマを停めてひと眠りすることにしました。こういう時車中泊仕様は便利です。一時間余り寝てすっきり目覚めたところで、この旅初めて車中でコーヒーを淹れることにしました。白樺林の中のパーキングで、少しドアを開けて雨の音を聞きながらのコーヒーは中々の味でした。
車中で火を使うために一酸化炭素センサー、断熱マット、防火シート等も用意し、いつでもできる態勢としていたのですが、これまで一度も実行しなかったのはやはり車内でのゴミ問題です。
車中泊旅が長くなるとゴミ問題は深刻ですが、特に北海道はゴミ持ち帰り運動が徹底されていて、道の駅や高速道路のサービスエリア・パーキングエリアにも基本ゴミ箱はなく、それどころか街中のどこの自販機にもペットボトル・ビン・カンの回収容器すらありません。
私自身はこれまで2週間弱の旅で2回フルサービスのガソリンスタンドでゴミを回収してもらっていましたので、この時点でゴミは殆ど無かったのですが、フルサービスのスタンドでもゴミお断りのところは多いようですから、コンビニ食を車内で食べることもなるべく減らして外食主体に切り替えようとしていたのです。
コロナ禍でゴミを扱う事は感染リスクを負うことになりますから、街からゴミ箱が消えたのは理解できますし、車中泊派に限らずゴミ捨てマナーの悪さに困っている施設が多いことも良くわかりますが、かといって長期の旅で自宅までゴミを持ち帰れというのは正直対応に困ります。
それならばRVパークを使うかホテルに泊まれという事なのでしょうが、いずれも事前に予約が必要となることが殆どで、気ままにその日の宿泊地を決める自由度は無くなりますし、勿論宿泊費がかかることも長期では負担となります。
私は「くるま旅Club」というRVパークの会員になっていて、いよいよゴミ問題に困ったら使おうと思ってはいたのですが、やはり事前予約がネックだったことと、上記の通りそれまでうまくゴミ処理ができていましたので、一度も使っていませんでした。
そしてこの日泊まった上士幌の道の駅の素晴らしい点は、有償でゴミを引き取ってくれることで、前夜トイレに行った時に下のような貼り紙を見つけて画期的だなと感動しました。これで大助かりという車中泊派は多いと思いますし、窓口で聞いてみるとやはりかなりの人がこのサービスを使っているようです。このサービスが多くの道の駅に取り入れられることを期待し、係の人にも他の道の駅にガンガンアピールしといて下さいと言って来ました。
コーヒーを飲み終わり、層雲峡へ向けて再出発です。
途中の三国峠は霧でかすんで好い雰囲気でしたが、駐車場にハイエースを停めて撮影スポットまで歩いている時、道路下の熊笹の茂みからガサガサッという音がして、ヒグマか?と一瞬ビビりました。結果は若い牡鹿でしたから一安心だったのですが、その少し前には立派な角の牡鹿も見かけていました。牡は警戒心が強く、中々姿は見られないのだそうで、牡は2年目で親離れして群れを離れますが、牝はそのまま母親と暮らすので大家族の群れは殆どが牝なのだとか。
層雲峡の銀河の滝と流星の滝は前日からの雨で水量が増し、茶色い濁流となって流れていました。層雲峡の温泉街にも行って見ましたが、悪天候もあってか殆ど人けはなかったです。
翌日行くタウシュベツ川橋梁以外にも、この周辺には旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群というものがあって、この日もいくつかを写真に収めることができました。しかし辺りには何枚も写真のようなヒグマ注意の看板があり、少し車を離れるにも緊張感があります。
沿道の桜も撮影しながら、途中にある糠平湖源泉郷で入浴を済ませて、レストランが営業終了する前に早めに道の駅に戻り、士幌牛のハンバーグで夕食としました。
日帰り入浴したホテルのすぐ前が翌日のツアーの集合場所なのですが、夜はとても寂しい場所となりそうなので、前日の道の駅に戻ることにしたのです。