シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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桜旅北海道編:後記

 

4月下旬、ゴールデンウィークが始まる直前に出発した私の桜旅北海道編は、22日間、5,400kmを走って5月中旬で終了、前半戦の九州・中国・北陸を含めると38日間、9,400kmで、通算すると結構壮大な旅となりました。

 

北海道編では390ℓ余りの軽油を消費し、燃費は13.8km/ℓ、西日本編より2.6kmも燃費が向上しています。満タン法で測った簡易的な燃費とはいえ、これはカタログ上での燃費よりも良い数値で、信号が少なく交通量も少ない北海道の道路事情が大きく影響しているようです。高速も余り使っていませんから、昔一般的だった「定地走行燃費」というのに近い条件が揃っていたのかも知れません。

 

21泊22日の旅の間、2泊はフェリーでの船中泊でしたが、それ以外の19泊は全て車中泊でした。西日本編でわかった不便な点や不足していた持参物などを、できる限り改善して臨んだことも大きかったと思いますが、0℃から25℃まで大きく振れた気温の割には快適に眠ることができました。

 

誤算は食事で、旅の始まる前は、食材とか中食と言われるものを買って、車内で簡単に調理して食べることを想定していたのですが、ゴミ処理問題で挫折し、外食主体とせざるを得ませんでした。しかし、車内が寒いことから早々に布団に潜り込んで寝てしまい、早朝から行動開始するパターンが定着しましたので、朝食はコンビニしか頼るところが無く、車内で出るゴミを無くすことはできませんでした。
ですから、上士幌やウトロの道の駅で取り組んでいたゴミ有償引取りの仕組みはとても有難かったですし、これが全国に広まって欲しいと切に思います。

 

車内での発電問題については、私はエコフローというメーカーのポータブルバッテリーを積んでいて、これで今回電気毛布等を稼働させました。IHコンロやポータブル冷蔵庫もこれで使う積りでしたが、上記の通り車中食を殆どしませんでしたから、電気毛布以外で使ったのはPCの充電位でした。スマホやカメラ、モバイルバッテリーなどはクルマのシガーソケットで充分でしたし、ポータブルバッテリー自体の充電も、あまり使っていない(残量80%未満にはならなかった)ですから、シガーソケットからの給電で、毎日満タンに戻せていました。私のポータブルバッテリーは、容量1200Whと超大容量という訳ではないですが、仮にIHコンロや冷蔵庫を使ったとしても、私が一日に使う電力はほぼ賄えると思います。
それよりも問題は充電で、バッテリーが空になってしまえば、シガーソケットからの充電では優に10時間以上かかります。私はソーラーパネルを持っていないのですが、発電能力が大きいものは高価ですし、車高が2.1mを越えることもできれば避けたいです。それにそもそもこのハイエースはなるべく車体をノーマルのままにとどめたい(売却前提なので)と思ってもいますので、ここは考えどころです。

 

結果的に、当初の予定より2日早く帰宅することになったのですが、それは桜が散ってしまった事に加えて、そろそろ家族に会いたくなったというのも正直なところです。私はこれまで自分が寂しがり屋だと思ったことはなく、今回の旅でも一人旅の自由さを満喫していたのは確かなのですが、一方で「自由と孤独は表裏である」ということも感じました。
普段の私はそう気軽に他人に話しかけるタイプではなく、それは一人の時特に顕著なのですが、今回の旅が中盤にさしかかった頃、お店の人や観光地で隣り合った人に人懐っこく話しかけている自分に気付いて驚くことが多かったです。やはり人寂しくなるんでしょうね。今後は街でやたらフレンドリーな老人に出会っても、これまでより少し優しくなれそうです。

 

4月下旬に苫小牧に上陸した時には、道南でも山々の木々はまだ殆ど灰色で、常緑樹のわずかな緑とエゾヤマザクラが印象的でした。それが、3週間経過して道南に戻ってみると、灰色だった森は緑一色、下の写真は屈斜路湖の湖畔で撮ったものですが、すっかり青葉の春を迎えていました。

 


そして道東や道北では、牧草に覆われたなだらかな丘陵が続く、欧米的風景が印象的なのですが、道央にはかなりの水田があって、水平に作られた田んぼが段々に続き、それで一気に日本的・アジア的な風景となります。5月中旬に道央に戻って来た時には、水が張られて田植えの準備が進んでいましたので尚更その印象が強かったです。

 

また今回の旅で特に記憶に残ったのは、過去の開拓跡が徐々に放棄され自然に戻っていく姿でした。なだらかな丘陵が続く中に不自然に平らな空間があれば、それはほぼ間違いなく過去の耕作地で、その近くには雪の重みでつぶれたことが明らかな倒壊家屋があります。また廃校になった学校もいたるところにあり、このまま開拓の歴史は終わるんだろうかとか、これも長い歴史からすれば一瞬だったのかなあとか、儚いなあとか、何だかしんみりした気分になりました。

 

来年は四国・近畿・中部・東北(関東・甲信はいつでも行けるので除外)の旅となりますが、北海道には桜旅以外でも是非もう一度行きたいと思います。今回、先を急がない旅だからこそ気付けたことも多かったと思いますので、詰め込み過ぎないのんびり旅で。

 

 

 

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