会津若松にある喜多方ラーメンの有名店「きむらや食堂」でラーメンと餃子を食し、すっかり満足して店を出たのが13時前、さてこれからどうするかと考えて、そういえば丁度1年前、このハイエースを手に入れて最初の長期車中泊旅で東北を回ったのがこのコースだったことに気付きました。
あの時は会津若松を過ぎて喜多方から裏磐梯の桧原湖まで登って、最初の車中泊をしたのでした。
あの時は土曜日でしたから観光客も多いだろうなと考えて喜多方ラーメンは断念、山形へ向けて北上して、河北町というところで山形名物の冷たい肉そばを食べました。あとで河北町が冷たい肉そばの発祥地と知ったのですが、その時食べた「白鳥十郎そば本舗」という店も大変美味しかったですから、もう一度これを食べに行こうという気になりました。
ところが河北町やその周辺の蕎麦屋は、この日木曜日を定休としているところが殆どで、「といや」という河北町の店だけがこの日営業中のようでした。ここはランキング上位にも登場している店でしたから、ここで晩御飯と決め、昨年と同じコースで国道121号線、287号線と進んで行きました。
喜多方市を抜けてR121を走っていると、ナビ上に「日中線記念館(旧国鉄 熱塩駅跡)というのが出て来ました。R121からもすぐのところでしたから一寸立ち寄ってみたのですが、中々趣のある旧駅舎でした。
日中線という名称も初めて聞いたのですが、喜多方駅からこの熱塩駅までを結んでいた10km余りのローカル線で、どこにも「日」という字も「中」という字もありません。熱塩駅の北側にある日中温泉に由来する命名なんだそうです。1938年開業で1984年廃業、典型的な地方ローカル線で運行本数も少なかったことから、「日中は走らぬ日中線」と揶揄されていたのだとか。
昔懐かしい硬券の乗車券箱には、「切符取り出し方『親指をちょいとなめて取り出すと簡単ですよ!!(自分の親指ですよ)』」と書かれています。う~ん確かに昔は、平気でお釣りの札を舐めて数えてくれる人いましたがねえ~。
駅構内には雪国らしいラッセル車も残されていました。
熱塩駅跡からR121に戻ってすぐのところに、三ノ倉高原花畑というひまわりスポットがあります。昨年は丁度満開だったのですが、早朝の為にまだ首を垂れてお休み中のひまわりが多く、そしてこの日は既に枯れ始めて首を垂れているひまわりが殆どでした。昨年より一週間近く早いのですが、今年は開花がとても早かったのだそうで、丘の麓に設置された料金所では、それでも良いかと確認した上で料金を徴収されました。良心的ですね。確かに多くのひまわりは首を垂れていましたが、広大なひまわり畑の上の方にはまだかなりのひまわりが咲き残っていて、十分目の保養になりました。
そして最上川沿いのR287では、日本最大をうたう鮎の「簗(やな)」などに立ち寄ったりしながら北上を続けたのですが、途中の田んぼでは既に稲が穂を垂れていました。暑さはまだ去っていませんが、秋は着実に近付いていますね。
そして矢作町の「といや」には18時過ぎに到着したのですが、店前には何とお休みの立て看板が、、。サイト情報では確かに水曜日定休、営業時間11:00~15:30、17:00~19:30となっているのですが、よく見るとその下には「営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。」との一文がありました。そんな殺生な!!というのが実感ですが、といやのすぐ前にある昨年行った「白鳥十郎そば本舗」も当然お休みですし、どうしようもありません。
完全に開き直って適当に見つけたとんかつ屋で、それもちょっと斜めに構えてカツカレーを食べ、その後は「さくらんぼ東根温泉・オオタ湯」という、街の銭湯的な日帰り温泉で汗を流した後、東根ICから東北中央自動車道に乗ってPAで車中泊することにしました。
最初にあった山形PAで良いかと駐車場に入ったところ、道路公団の係員らしき人が走って来ました。何事かと思って窓を開けると、ここは20時から夜間工事で全面閉鎖になるのだそうです。その時19時55分過ぎで、どうりで一台も一般車がいない訳です。急いでトイレだけ行かせてもらって、作業員の方に総出でお見送りされる形で、次の南陽PAに向かい、そこで夜を明かしました。
翌日はこのまま高速で帰っても昼前には着いてしまいますし、ハイエース旅の基本形である下道のんびり旅とすることにして、山形のブドウ農家の直売所でブドウを買ったり、福島の桃農家で桃を買ったりしながら、夕方千葉の自宅に帰り着きました。3泊4日860kmの旅でした。