旅の5日目は福井県の永平寺町で迎えました。永平寺町1つで吉田郡を形成しているのだそうで、それなら市で良いじゃないかと思うのですが、人口要件などを満たさないのでしょうね。
前夜は、道の駅を家のように使いこなすベテランさんたちに囲まれて寝たのですが、月曜のこの日は出勤前にトイレ等に立ち寄る人も多くガサガサして来ましたし、朝日が車体にあたって黒の私のハイエースは暑さが耐えられなくなっても来ましたので、7時過ぎに道の駅を出発しました。
とはいえ妻が新幹線で福井駅に着くのが10時過ぎ、この道の駅から福井駅までは渋滞を考慮しても30分程度らしいですから、どこかで時間をつぶさなくてはなりません。まずは沿線にあったコンビニで朝食を買って食べながら一休みです。道の駅ではまだ寝ている人も居ましたのでエンジンを掛けっぱなしにすることは気が引けたのですが、周囲が田んぼのこのコンビニならそう気兼ねはしなくて済みます。
そしてその後は、この4日間でかなり汚れたハイエースの洗車です。洗車機に入れるだけですが、ゆっくり拭き上げ作業をして、福井駅前の地下駐車場にハイエースを入れたのが9時でした。まだ1時間以上ありますので、福井駅前の恐竜を眺めたり、カフェでもう一杯コーヒーを飲んだりしながら妻の到着を待ちました。
恐竜王国をうたうだけあって福井駅前は恐竜一色です。動いたり吼えたりするのを知りませんでしたから最初はギョッとしたのですが、地元の人は知らん顔です。恐竜が吼えた時の反応でよそ者は見分けがつきますね。
駅で妻を出迎えて最初に向かったのは、通称「猫寺」、越前市にある「御誕生寺(ごたんじょうじ)」です。
曹洞宗の割と新しいお寺なのですが、捨て猫や傷病猫を保護・飼育していることで知られており、最多で約80匹、現在でも20数匹を世話しているのだそうです。全てに名前と首輪をつけ、猫の里親を探したり、無闇な繁殖を防ぐための避妊手術等を行ったりしています。参詣の人を含めて年間約3万人もの人がこの寺を訪れているのだとか。
福井駅から御誕生寺までは高速を使って30分程、時間の制約がない一人旅ではまず高速は使わないのですが、2泊3日で実質2日間しかない妻との旅では時間も貴重です。何より高速代が家計負担になりますし、、。
毎日朝7時頃と昼15時半頃には修行僧が猫たちにエサやりをしているのだそうですが、我々が到着したのは11時、既に暑さが耐えられなくなってきていて、猫たちも思い思いの涼み場所で昼寝中らしく、姿を見ることが出来たのは3~4匹です。みんな穏やかな寝顔で全く人を警戒していないのが良くわかりました。
これ以上粘っても猫たちは姿を現さないでしょうから、猫寺はこれで終わりとして昼食に行くことにしました。ところがネットで検索してみると、福井県の飲食店は月曜日を定休としているところが多く、結局お寺からも近い新幹線越前たけふ駅の前にある道の駅で昼食を済ませ、次の目的地永平寺に向かいました。
永平寺は曹洞宗の大本山で、雪深い山中の寺で多くの雲水たちが修行している場面は良く取り上げられています。私も幼い頃に祖母に連れられてここの宿坊で泊まったことがあり、禅宗の一汁一菜の食事のことはうっすらと憶えていました。
この日は寒さとは無縁の真夏日でしたので、広い建物の中は涼しくて快適に見学が出来ました。もちろん宗教施設なのですが、施設の巨大さや運営のやりかたはむしろ企業という感じで、私達夫婦にはお馴染みの成田山新勝寺と似た雰囲気でした。
その後、前日行った一乗谷に妻も行きたいとの事で再訪しました。やはりとても暑かったのですが、妻も満足したようでしたから、前日は閉館時間が迫っていて行けなかった近くの博物館にこの後行こうとしたところ、ここも月曜日は定休日でした。
この時点でまだ夕方には間がありましたので、再度御誕生寺に行ってみたのですが、15時半の餌やりは既に終わっていて、猫たちは再びお休み態勢で姿を見せませんでした。それでも新たに4~5匹の猫に会うことが出来ましたので、ひとまず今回の猫寺訪問の目的は達成です。
その後あわら温泉の旅館に移動し、福井観光の初日は終了しました。