この日、福井駅前のビジネスホテルで10時過ぎの新幹線に乗る妻と別れて、私は能登半島へ向かいました。
当初はこの日新潟まで移動して、翌日佐渡島をレンタルバイクで回る積りだったのですが、天候が怪しくなってきたので急遽変更したのです。今回は準備万端で、ヘルメット・ジャケット・グローブも抜かりなく積んで来ていたのですが。
京都から新潟までつなぐ大動脈国道8号線に出て、しばらくは能登を目指して走っていましたが、こういう幹線道路を走り続けるのがあまり好きでは無いものですから、途中から初日に泊まったあわら温泉方面にそれて、日本海沿いの幹線とは言えない地方道を使って石川県羽咋市の千里浜なぎさドライブウェイまで走る事にしました。
浄土宗の蓮如が当時北陸布教の拠点としていたところで、蓮如の里と呼ばれているあわら市の吉崎や、北前船の博物館に立ち寄ったりしながら、千里浜に到着しました。
ここは今やライダーの一大イベントとなっているSSTRのゴール地点であり、10月には私もここを目指してバイクを走らせることになります。この時は平日の昼間ですからクルマもバイクも少なく、SSTRでは感じられない静けさがありましたね。
千里浜からは、一般道に拘っているとどんどん時間を食いますから、高速道路を使って能登半島の先端、禄剛崎(ろっこうざき)を目指しました。
復興が徐々に進んでいるのはわかりましたが、道路の被害は想像以上で、いたるところに崩落した箇所があって、そこを迂回する緊急避難的な処置がされていますので、スピードを上げて走り切ることはできませんし、崩落していない直線部分でも路面が波打って高低差が生じています。また橋梁部分では殆どのところで接続部分にかなり大きな段差ができていて、これもスピードを上げられない原因となっています。
そして高速道路の終点近く穴水の道の駅で小休止したのですが、その時点で禄剛崎を目指すのは断念し、輪島まで行って引き返すことを決めました。
正直もっと復興が進んでいると思っていましたし、少しでも経済協力ができるならとも考えてここまで来たのですが、このまま物見遊山的に進んで行くのは良いことではないという気持ちになったのです。
ホテルや駅舎以外の一般家屋で被災したままとなっているところも数多くありますが、写真を撮るには忍びませんでした。
輪島の道の駅では輪島塗の夫婦箸を購入したのですが、本当は汁椀を妻の分と2つ買おうかなと思っていたのです。ところが汁椀となると安いものでも2~3万円、私が良いなと思ったのは1個5.5万円でした。ちょっと手が出ませんでしたので、ささやかな経済協力で勘弁して貰う事にして、夫婦箸となった訳です。
その後は翌日のことも考えてなるべく富山方面まで戻っておこうと、氷見の道の駅を宿泊地と決めました。
途中和倉温泉に立ち寄って「総湯」で汗を流し、氷見の道の駅に着いたのはもう暗くなった19時過ぎでした。まだまだ暑かったのですが、日の暮れるのは随分早くなって来ましたね。
この道の駅も車中泊派が多かったのですが、皆さん良識派で、美ヶ原の道の駅のようなうるささはありませんでした。
この記事は数日前に書いていたのですが、その後能登地方は大雨による甚大な被害を受けてしまいました。上にも書いたSSTRはもう2週間後であり、個人的には今年の開催は難しいのではないかと思っています。地震で地肌が露出したままの斜面などが至る所にありましたから、通常時以上に雨の被害は大きくなっているでしょうし、今後しばらくは緊急車両の通行を最優先すべきとも思います。もし開催されたとしても参加は見送りですかね、、。