この日も早起きして5時に道の駅村田を出発、5時半にはJR大河原駅前のコインパーキングにハイエースを停めて歩き始めていました。
ここ大河原町と隣の柴田町両町にまたがる「白石川堤一目千本桜」がこの日のメインイベントですが、まだ5時半なのに既に会場係員の方が駐車場で集合しており、観光客もチラホラ歩いています。この週末がさくら祭りのピークだったのだと思います。
しばらく河原や土手をのんびり散策した後はクルマを駐車場から出して、柴田町にある「船岡城址公園」に向かいました。白石川を少し下流に進み、阿武隈川と合流する手前の小高い丘の上の城址公園です。ここの駐車場もまだオープンしておらず、8時までは無料で開放されていました。
写真などで良く見る、白石川の流れと菜の花・桜・東北本線の電車、遠景に残雪の蔵王連峰、という眺望はここからのもののようで、早朝にも関わらずかなりの観光客が訪れていました。
この日は雨こそ降っていなかったものの今にも降って来そうなあいにくの天気でしたから、蔵王連峰の残雪をバックにした写真は撮ることが出来ませんでしたが、桜・菜の花・電車はちゃんと見ることが出来ましたので満足です。もう少し天気が良ければ、有名な撮影スポットである「韮神堰(にらがみぜき)」にも行って見たかったのですが、船岡城址の小山に上り下りするだけで既にハアハア言っていましたし、この日は蔵王連峰もきれいに見えませんでしたからこの日はここまでとしました。
そこから駐車場に戻ってこの後の宮城県の桜名所を調べてみたのですが、その時点で満開近かったのは仙台市近郊が多く、これから混雑が目に見えている大都会仙台市の桜名所に向かうのはちょっと気が進みませんでした。
しばらくあれこれと考えてみたのですが、翌々日には宇都宮での業務を控えていましたから、遅くとも翌日の午後には栃木へ向けて引き返す必要があり、そう北の方まで足を延ばすこともためらわれました。
そして私が出した結論は、今回の旅は一度ここで中断し千葉の自宅まで戻るというものです。岩手も山形・秋田・青森もまだソメイヨシノは咲き初めでしたし、そうと決まれば後は帰るだけですから、最寄りの山元ICから常磐道に乗り、ひたすら柏ICまで走って夕方には帰宅しました。
ひたすら走ったとはいっても2日に一度アップしているこのブログの原稿を書いたり、早朝起きで睡魔に襲われれば仮眠し、という感じでしたから、ナビでは所要時間4時間強となっていたところを7時間以上かけて走破しました。私のハイエースはカプセルホテルが走っているようなものですから、こういう使われ方は得意です。
今回福島県では霞ヶ城公園、宮城県では白石川堤一目千本桜のそれぞれ1か所だけしか訪問しなかった訳ですが、福島県も宮城県もいたるところに桜木があり、普通の民家の軒先に何気なく立っている桜でさえも大変ゴージャスでとても見応えがありました。
峠道を越えて視界が広く開けた時、視界のあちこちから満開のソメイヨシノの薄い桜色が目に飛び込んで来るのですが、それは何とも言えない美しさでした。
年月を経て巨木となった桜が多いこともあるのでしょうが、黒ずんだ太い幹とごく薄い桜色の花びらが絶妙のコントラストで、別に有名どころの桜を見に行かなくてもクルマをゆっくり走らせながら眺めるだけでも十分満足できました。
帰らないはずだった私が急に帰ることになりましたから、夕食は近くのイタリアンチェーンに出かけ、春の新作メニューみたいなお勧めに乗せられてホイホイ頼んでしまい、二人ともお腹一杯になりました。最後のデザートもイチゴソースでスパゲティを再現した新作で、形よく仕上げるのは結構大変なんです、とスタッフの娘さんはこぼしていました。