社員旅行2日目は筑波山神社のすぐ下にあるホテルから出発です。
筑波山神社参拝にも、筑波山ケーブルカーで山上に向かうにも便利ですし、関東平野を一望できるロケーションも最高なのですが、設備の古さは否めません。今回の社員旅行は2班に分かれての実施で、私は2班の方に参加したのですが、一週間前に先発した1班のメンバーからこのホテルは酷評されていたのです。古い・暗い・気味悪い・かび臭い、と散々な言われようでしたから私も覚悟していたのですが、いざ泊まってみるとそんな悪いかなあというのが実感でした。長いサラリーマン生活での出張で、何百回もの宿泊を重ねていると、中にはとんでもない宿もありましたから、耐性が付いているのかも知れません。確かに古いですし、古い建物にありがちな特有の匂いが染みついているのも確かですが、サニタリーや寝具の清潔さは保たれていますので、最低条件はクリアです。
私が人生で最悪と思った夜は、サラリーマンになる前、学生時代前泊して現場に向かう必要のあるバイトに行った時の事です。関東のとあるところに事務所があり、そこに前日泊まって翌日の早朝トラックや車に分乗して現場に向かうのですが、その宿舎の寝具が最悪でした。宿舎自体も飯場と言った方がぴったりのバラックで、積まれた布団に近付くと汗の匂いが襲ってきて、元は白かったらしい生地も黄色く変色しています。触るのも勇気が要る位だったのですが、寒い時期でしたし翌日の仕事を考えると寝ておかない訳にはいきません。結局靴下も脱がず、ズボンもジャケットも脱がず、素肌が布団に振れないように掛布団は胸までで止めてじっと仰向けで朝を迎えました。若いというのは偉いものでそんな状況でも睡魔に負けてそれなりに眠った記憶がありますが、今なら一睡もできないでしょう。そしてあの強烈な匂いにはどう耐えたのか今でも不思議ですが、何組も積まれていた寝具から少しでもましなのを選んだのかも知れません。
という訳で、覚悟して臨んだ割には問題なく朝を迎え、この日はここから牛久大仏の見学に向かいました。ここも我が家からスムーズに走れば一時間強で行けるところですから何度も来ています。
前日早朝常磐道で集合場所に向かう時は、筑波山周辺も牛久周辺もかなりの雨だったのですが、集合時間以降は全く雨は降らず、この日は梅雨はどこに行った?という上天気で、とても暑かったです。
大仏様の胎内見学(参拝?)の後は同じ牛久市内にある牛久シャトーというところで昼食です。
ここのことは初めて知ったのですが、神谷傳兵衛という人が開設した、日本初の本格的ワイン醸造場で、フランスに現存した醸造場をモデルに、ボルドー地方の技術を用いて、葡萄の栽培からワインの醸造・瓶詰めを一貫して行なっていたのだそうです。敷地内にはレストランがありそこで昼食だったのですが、当時の建物を活かした記念館も見学出来ました。当時のワイン造りの資料や歴史を紹介しており、なかなか興味深かったです。浅草の「神谷バー」もこの方が開業したものなんだそうで、「電気ブラン」も展示されていました。
当時「蜂印香竄(こうざん=隠しても隠し切れない、豊かなかぐわしい香り:父親の雅号)葡萄酒」という名前で大ヒットしてこの牛久シャトーの礎ともなったのだそうですが、今でも「ハチブドー酒」として売られています。ちなみにビッグマンというペットボトル入りのどでかい焼酎もこのメーカーの製品です。
これでこの旅行の観光はほぼ終了、あとは休憩を兼ねて筑西市にある道の駅グランテラス筑西に寄るだけです。北関東最大規模との事ですが、道の駅ではなくここにあった北海道ローカルのコンビニ、セイコーマートで北海道グルメを買いました。なぜか北海道以外では茨城県と埼玉県にだけ出店しているんですね。