3カ月に1度の定期検査で都内の病院に行き、帰りには神宮外苑を散歩してきました。
検査に行った時はいつもそうしているのですが、余りに暑かったり寒かったり、天候が悪い時にまで無理して歩いたりはしません。また前回は午後から上野で妻と待ち合わせていましたので、この日は半年振りの外苑散歩となりました。
この検査はいわゆる成人病の定期観察で、殆どの場合あまり良くない数値に医師からダメだしをされますので、その時だけは殊勝な気分となって神宮外苑を歩く、というのがパターンなのです。そしてそれとは裏腹なのですが、この日くらい(次の3カ月間の初日に当たります。)は良いだろうと勝手な理屈をつけて、「ホープ軒」のこってりラーメンを啜ったりもしています。
今私が経過観察中なのは、コレステロール値、血糖値、尿酸値の3つなのですが、コレステロール値と尿酸値は制御出来ている(まあ服薬中ですから当然なのですが、、、)のに対して、血糖値が芳しくなく、HbA1c(ヘモグロビンA1c)は6.4%です。
これは「糖尿病の境界型」とされる数値で、6.5%になってしまうと糖尿病認定なんだそうで、6.4%は「糖尿病ではないが、血糖値がやや高めで注意が必要な状態」で、放置すると糖尿病に進行する可能性があるため、食事・運動・生活習慣の見直しを強く指導されます。今回だけでなく前回も前々回も6.4%で、辛うじて踏みとどまっているという状態が続いていますので、医師の口調も自然と厳しくなってきました。
HbA1cは一時的な血糖値ではなく、赤血球の寿命(約120日)に基づいて、過去1~2カ月の平均を反映するため、直前になってあたふたしても間に合いません。
ヘモグロビンとは赤血球内のタンパク質の一種で、全身の細胞に酸素を送る働きをしていますが、血液中のブドウ糖がヘモグロビンとくっつくと糖化ヘモグロビンになります。血糖値が高いほどヘモグロビンに結合するブドウ糖の量が多くなり、一旦糖化したヘモグロビンは、赤血球の寿命が尽きるまで元には戻らないのです。HbA1cはこの糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかをパーセント(%)で表したものです。
ということで散歩に行かなくてはという強迫観念もこれまで以上に強くなりましたので、神宮外苑を歩いて帰ることにしました。この日、結果はともあれ検査そのものはいつもより順調に進みましたので、11時前には病院を出ることが出来たのですが、外に出ると青空が広がって既に真夏を思わせる日差しです。外を歩くのをためらうような暑さで、もうこのまま最寄駅から帰ろうかとも思ったのですが、気を取り直して国立競技場の方に歩き始めました。
できるだけ日陰を縫って歩いたのですが、それでも神宮外苑駅に着くころにはTシャツの背中が濡れて気持ち悪かったです。紫陽花も今盛りの筈なのですが、日向ではもう焼けていましたね。
そしてこの日は6月19日、太宰治を偲ぶ桜桃忌でした。元太宰ファンの端くれだった者として、2年前には彼の墓前を訪れたこともあるのですが、この日は早々に帰宅しました。
桜桃はさくらんぼのことですが、太宰治の好物だったんだそうで、この日には三鷹にある太宰治の墓前にさくらんぼが大量に供えられます。太宰治が入水したのは13日ですから命日そのものは6月13日なのですが、遺体が発見されたのが19日で、太宰と親交のあった同郷の作家、今官一(こんかんいち)がこの日を「桜桃忌」と名付けたために、6月19日の方が有名になったのだそうです。そしてこの日は太宰の誕生日でもあります。