青森・秋田の旅から戻って三日後、今度は九州熊本へ二泊三日の旅に行って来ました。15年前に101歳で亡くなった祖母の命日に合わせた墓参が目的なのですが、徐々にそれを名目とした阿蘇への里帰り旅といった趣きとなってきています。
私の親戚たちは昔からこの阿蘇にある本家に集まることが度々あって、実家ではありませんから本来の意味での里帰りでは無いのですが、少し前にヒットした「サマーウォーズ」というアニメ映画のような雰囲気で夏休みに親戚が勢揃いすることも多かったのです。
阿蘇の本家は祖父にとっての実家で、祖父・祖母までの代々の墓がありますが、私の父の代となってからは兄弟それぞれ各自が暮らした街で墓を作っており、以降この墓をどうするのかは、長男だった父のそのまた長男の私が決めなくてはならなくなりそうです。
阿蘇には飛行機での往復でしたが、熊本空港まで成田からLCCのジェットスターが就航していますので、最近ではいつもこれを使っています。我が家からは羽田より成田の方が圧倒的に近いですし、成田からの国内線はほぼ全てLCCですから安くもあります。ただ便数は少なく、その日の内に現地で活動を始めようとすると熊本行は7時15分発の便しかありませんので、遠い第3ターミナルに出発30分前到着とすれば5時半には家を出ねばならず、大変なのは確かです。
雨の中、タラップを使っての乗機も今となっては珍しいですが、雨が降っても濡れないだけの設備は整っていました。この日は航路全般に悪天候でかなり揺れが続きましたので、飛行機が苦手な私は緊張の連続で疲れました。




今回息子は仕事の関係で参加できず、私たち夫婦と娘の3人旅です。現地で親戚5人と合流して総勢8名の旅となりますが、妻と娘は仕事などの為に1泊だけして先に帰ります。
まずは熊本空港で羽田からJALで熊本入りする私の従妹と待ち合わせ、予約していたレンタカーを借り出しに行きます。熊本空港の正式名称は「阿蘇くまもと空港」なのですが、今期間限定で「阿蘇くまモン空港」と改称されているようで、通常でもくまモン推しなのが更にパワーアップしていました。


スカイレンタカーというレンタカー会社で借りたのは日産セレナ8人乗りです。8人乗りとはいえ、大人8人はきついかなとも思ったのですが、妻と娘は二日目の昼までで帰りますから、その間は我慢してもらうことにしました。
結果はそう大きな不満も出ませんでしたので、セレナの広さには感心なのですが、まあ8人中5人がご婦人で、小柄な人が多かったのも理由ではあります。
空港で従妹が合流して4人となり、次は熊本駅に新幹線で熊本入りする4人を迎えに行きます。その後8人フル乗車で阿蘇入りし、お墓参りの前に阿蘇の郷土料理の店で遅い昼食を取ることにしました。
阿蘇の郷土料理と言って私が思い浮かべるのは高菜とだご汁で、この二つははずせませんので、どちらもが入った「たかなめし定食」を選択。高菜は混ぜご飯にした「たかな飯」がポピュラーで、「だご汁」の「だご」は「だんご」ですから要は「団子汁」です。練った小麦粉を適当にちぎり入れたような不揃いの団子が入った「すいとん」的なものです。





遅い昼食を終えて、旅の目的である祖父・祖母の墓参りに行きます。叔父・叔母は当然祖父(彼らにとっては父)のことを知っていますが、私たち従兄妹世代は早世した祖父の事は知りません。
墓参りの時が今回の旅で一番雨足が強かった時で、線香に火をつけるのも一苦労、ようやく着火してお備えした瞬間に雨で消えてしまうという有様でした。
という状況でしたからゆっくりお参りする間もなく退散したのですが、まあわざわざ来てくれたんだな位には感じてもらえたと思います。
こんな天候でしたから阿蘇山に登っても眺望は期待できませんでしたが、少し雨も小降りになって来ましたし、阿蘇まで来たならやはり山上へは行きたいですので、このまま登山道路を登ることにしました。
ちなみに「阿蘇山」という山はなく、根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳の「阿蘇五岳」の総称です。現在も噴煙を上げている活火山の中岳までは登山道路が整備されて火口見物もできますから、阿蘇の人が山に登ると言えばここのことを指すことが多いです。



中岳の火口駐車場まで登った時にはまた雨風が強まっていて、傘も役に立たない程でしたから我々は車中や観光案内所で待機していたのですが、数十年ぶりに阿蘇に来たという従妹は、火口を見下ろせるところまで小走りに行って来て満足したようでした。
その後は山を下りて赤水というところにある「阿蘇白雲山荘」にチェックインしました。数十年前からこの地で営業している温泉宿ですが、豪雨災害や震災被害の後、数年前に補修ではなく一回りコンパクトにして新築したのだそうで、小振りですがとても居心地の良い宿でした。
