シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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松本大洋:漫画「Sunny」

松本大洋という漫画家の「Sunny」を読みました。我々の世代の男でSunnyといえば「日産サニー」なのですが、この作品のSunnyはまさにそれで、庭に放置された古いサニーが重要な役割を果たしています。

 

このSunnyという6巻完結の長編漫画は、元々妻が書評等を見て興味を持った作品です。その時既に小さな書店には並んでいなかったので、ブックオフで第1~5巻を順次見つけてきて読み始めたのですが、第6巻だけはどうしても見つからなかったのでAmazonで購入して全巻コンプリートとなったのだそうです。確かにAmazonでならすぐ買えますが、古本を漁るのも楽しい事は分かりますし、その姿を見て私もこの作品に興味を持つことになったのです。

 

 

私はこの作品が最初でしたが、松本大洋氏はかなり有名な漫画家らしく、
「スポーツや闘いを題材に、男の美学や孤独、成長を描くものが多く、写実とデフォルメを融合させた絵柄と、詩的で静謐な間の演出が特徴。『ピンポン』では卓球を通じた少年たちの葛藤と友情を描き、『鉄コン筋クリート』では都市の闇と少年の純粋さを対比させた。『GOGOモンスター』『竹光侍』『Sunny』『東京ヒゴロ』など、ジャンルを超えた多彩な作品を発表し続けている。国内外で高く評価され、アイズナー賞など数々の賞を受賞。漫画表現の可能性を広げた作家として、今なお多くの読者とクリエイターに影響を与え続けている。」
と紹介されていました。

 

「Sunny」は、親元を離れて児童養護施設「星の子学園」で暮らす子供たちの日常を描いた作品です。舞台は1970年代の日本、登場人物の会話はベタな関西弁ですから関西のとある街なのですが、名古屋や四日市という地名が多く登場することから、読者の間では三重県ではないかという推測もされているようです。私も三重県という気がするのですが、三重は名古屋弁の影響も強く受けているそうですから、言葉だけで言えば大阪・兵庫、三重との間を取って奈良という線もありそうですね。

 

冒頭書いた通り、タイトルの「Sunny」は、施設の庭に放置された壊れた日産サニーで、施設の子供たちが空想の世界へ旅立つための乗り物として扱われていて、彼らがサニーに乗って空想の世界へ逃避する場面では、現実の厳しさと子供たちの切ない希望がリアルに描かれます。登場人物はそれぞれ複雑な事情を抱えていて、親の不在や家庭の問題に向き合いながら、友情や小さな冒険を通して成長していくのですが、親から離れざるを得なかった(理不尽に離されてしまった)子供たちの、親を思う気持ちの濃密さに胸が詰まる思いがします。
特に大きな事件が起こるわけではないのですが、子供時代の孤独や誰かに理解されたいという思いは、親元を離れて育った私にも覚えがあり、決して綺麗事で済ませるような作品でもありませんので、辛い・切ないという思いはぬぐえませんが、読んだあとには静かな余韻も残ります。

 

松本大洋の作品は作画を含めて好き嫌いがはっきりする漫画だと思いますし、どちらかと言えば私も好きなタイプではないです。現に「ピンポン」や「鉄コン筋クリート」は1993~1998年のビッグコミックスピリッツ連載だそうで、当時私はこの雑誌を定期購読していたはずなのですが、全く記憶にありません。おそらく読まずに飛ばしていたんだと思います。
しかし、時を経て私の趣味も変わって来たのか、彼の作品に嵌ってしまえば抜けられなくなりそうな予感もあり、現に妻からは既に「ルーブルの猫」「東京ヒゴロ」という作品を借りてしまっています。

 

 

 

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