師走の京都旅、初日の後編となりますが、実質的にはこれからが観光のスタートです。
宿泊先である都ホテルのクロークに荷物を預けて三十三間堂に向けて歩き始めたのが13時半頃、このホテルのチェックインは14時以降ですから30分も待てば部屋に入れたのですが、夕方にも予定を入れていましたので、なるべく早く妻の最優先課題である三十三間堂には行っておきたかったのです。
都ホテルのある京都駅八条口(駅の南側)から三十三間堂はほぼ真東にあり、距離にして約2kmです。今回の旅は歩くことを覚悟していましたし、最初でもありましたから元気よく歩いて30分弱で到着しました。
JR京都駅の東側から鴨川の手前までは、崇仁(すうじん)地区という被差別部落があった一帯です。私には差別意識は無いですが、西日本出身者として同和関係についての一通りの知識はあり、住井すゑ「橋のない川」を重い気持ちで読んだこともあります。今では同和対策事業自体が昔語りともなってきていますし、京都市立芸術大学の移転や新しい住宅・施設の整備が行われて、かつての同和地区というイメージは大きく変わっているようでした。
日曜日でもあり三十三間堂は多くの観光客で賑わっていましたが、その多くが外国人で、 千体の千手観音の中央部に安置されて、中尊と呼ばれているひときわ大きな千手観音の前で敬虔な祈りを捧げているのは、東南アジア方面から来た仏教徒と思われる人たちです。
建前上は仏教徒ですが実質的には無宗教の私でも、この堂内では自然と厳かな気分となりましたから、その姿も良く理解できます。
ここ三十三間堂では、本堂西側の軒下を使って、南から北へ矢を射通す「通し矢」というものが江戸時代盛んに行われており、中でも一昼夜、矢が堂の端から端まで(121m)通った本数を競う「大矢数」が有名で、最高記録は何と13,053本中8,133本通過(1686年、紀州藩・和佐大八郎の記録)という驚異的なものです。
今でも軒下に刺さったままの矢が残っているのですが、何の案内も説明もありませんから知らなければ見過ごしてしまいます。当時のものではなく最近のものだとブラタモリでは言っていましたので歴史的価値は無いのかも知れませんが、それなら抜いて修復すれば?と疑問でした。
現在ではそれにならった「大的(おおまと)全国大会」という弓技大会が毎年1月に開催されていますが、今は本堂軒下を射通すのではなく、その横の広場で約60m先の的を射る競技に形を変えています。そしてそれが成人式と結びつき、新成人が晴れ着姿で弓を引く姿が「通し矢」の伝統を継承し、華やかさを加えた新春の風物詩となって、YouTubeなどでも外国人に注目されています。




三十三間堂の次は、隣接する京都国立博物館に行く予定でしたが、残念ながら改修中で見学出来ず。隣にある豊国(とよくに)神社にお参りして帰ることにしました。文字通り豊臣秀吉を神として祀るために創建された神社で、徳川家康によって一度廃絶されましたが、明治天皇の勅命で再興されました。
今は方広寺という寺の跡に移されており、ここには秀吉が建立した京都大仏もあったのだそうですが、方広寺といえば方広寺鐘銘事件(ほうこうじしょうめいじけん)が有名で、「国家安康」「君臣豊楽」と刻まれた梵鐘の銘文を、家康は「国家安康=家康の名を分断して呪う」「君臣豊楽=豊臣家の繁栄を願う」と解釈し、豊臣家が自分を呪詛していると激怒して(した風を装って?)、豊臣家を攻撃する口実とした事件です。大坂の陣の直接的なきっかけですね。


そこからまた歩いて一旦ホテルまで帰りましたが、この日は18時から二条城でのライトアップイベントの予約をしていましたから、一休みして出掛けました。鎌倉建長寺のイベントと同じくJR東海のツアーで、今回この旅を企画した後、この二条城と翌日の東寺のツアーを予約していたのです。
「NAKED meets二条城2025観月 入場券|二条城ライトアップイベント」というもので「ネイキッド ミーツ」って?と思ったら、NAKEDというイベント会社の企画みたいです。
建長寺と同様にプロジェクションマッピングも使われていましたが、江戸時代の風景を想像させるようなものが多く、過度に幻想的な雰囲気を演出していませんでしたから、こちらの方が我々夫婦には受け入れやすかったです。








京都駅から二条城までの市内バスは、大きなスーツケースを持つ人たちで長蛇の列でしたから、結局タクシーで往復したのですが、後で調べたら地下鉄なら一回乗り換えだけで二条城前まで行けた事がわかりました。無駄な出費でしたね。
18時からのイベントでしたから、出発前にはホテルのカフェでケーキセットを食べて小腹を満たし、終了後に京都駅の地下街で京料理の夕食としました。
この日は23,000歩強、15~16km程歩きましたので、きっとケーキセットの分も消化してくれたことでしょう。




