シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

田作りで連想した「崖の上のポニョ」と内田百閒の「冥途」

 

何だか突飛なタイトルになってしまいましたが、例年暮れの数の子、田作りの仕込みの時の話です。
お正月用の数の子と田作りはここのところ私の当番となっていて、今回も塩漬けの数の子の塩抜きから準備が始まりました。

 

数の子は5~6時間5%程の塩水に浸けて2回塩抜きし、あとは醤油、酒、味醂等で作ったタレに漬け込めば出来上がりなので簡単ですが、田作りは多少手間がかかります。
市販の田作りは、味付けが甘めなのと佃煮風で柔らかいので、噛めばパキッと折れる位硬くして辛めの味付けで作っています。
この場合「堅い」が正解かなと思ったのですが、いい意味での食べ物の「かたさ」は「硬い」が正解で、「堅い」は通常食べ物には使わないんだそうです。ただし「堅焼きせんべい」のような伝統的表現では使われることが多いようで、これに引っ張られましたね。

 

ちなみに「田作り」「ごまめ」両方の言い方がありますが、どちらもカタクチイワシの幼魚を甘辛く煮絡めた同一の料理で、AIによればその違いは、
「田作り」は、イワシを肥料にして田が豊作になった歴史から生まれた、おせち料理での縁起名で、五穀豊穣を願う表現として妥当。一方「ごまめ」は日常的な呼称、または材料そのものを指す語で、関西で多く使われる。
したがって、おせちでは田作り、日常ではごまめという使い分けが自然である。
なんだそうです。

 

まずパリッとした硬さにするためにフライパンで気長にカタクチイワシを乾煎りします。製品の袋には10~20分弱火で乾煎りしてポキッと折れる位にする、となっていますが10~20分では到底この状態にはなりませんし、急いで火を強めると焦げて苦くなってしまいます。結局私は30~40分かけて乾煎りしたのですが、フライパンを時折り振りながら長時間ボーッと眺めていると、段々とおかしな感じになってきます。それはフライパンの中のカタクチイワシが一斉に私を睨んでいるような感覚です。全てのカタクチイワシには漏れなく眼がついていますので、気になりだすとどんどんそれらの無数の目に睨まれているという感じが強くなって来るのです。

 

 

この感覚はジブリ映画「崖の上のポニョ」のポニョが宗介を追う場面で、盛り上がった海面に無数の魚が密集していて、それが宗介の方へ一斉に向かってくる、というシーンで感じた不気味さにも通じます。そしてその先頭にいるポニョも、幼い顔立ちのままながらやはり何か不気味な感じでしたが、それは私だけの感覚でしょうか?


もう一つの連想は、内田百閒の短編小説「冥途」に出て来る、馬肉と騎馬将校の場面です。主人公が馬肉屋の店頭に並んでいると、騎馬の将校が通りかかります。そしてその時将校の馬が主人公を横目でじっと睨むのですが、それはまるで馬肉屋に並ぶ人間への抗議の眼差しに思える、というものです。

 

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無数の魚の集合体というものの与える不気味さと、これから食べるんだねと言われているような不気味さの両方を感じた、ということなんでしょうかね。
まあそんな感じがしたのもわずかな間のことで、乾煎りが終わったら甘辛いタレを作ってそれに絡め、バットに並べて冷ましたら冷蔵庫で保管、と滞りなく田作りの作製は完了しました。
あとはお正月を待つばかりとなり、お正月には料理上手な義母からも合格点を頂いて、みんなで美味しく食べました。

 

 

 

 

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