四万温泉の中心部で少し観光をして昼食を食べた後は、バスで中之条方面に3つ目の「山口」停留所まで戻ります。四万やまぐち館は家名ではなく地名なんですね。
歩いて戻っても13~14分となっていましたが、雪のちらつく寒い日で、日陰などはガチガチに凍結していましたからバスで帰ることにしました。
四万やまぐち館は温泉街の中心からは少し離れたところにある老舗旅館で、四万川沿いに建っていますから、客室や露天風呂から望む渓流はなかなかの景観でした。館内は古いながらも良く整えられていて、和風情緒の中に現代的な快適性もあって居心地は良かったです。





部屋には掘り炬燵がありとても懐かしい感覚でした。風呂はぬるめの湯で、いつまでも入っていられるくらい気持ち良く、普段は烏の行水の私にしては珍しく、露天風呂で体を冷やしながらダラダラ1時間以上も浸かっていました。


食事は地元食材を中心とした素朴な会席料理で、味付けは薄め、量も多くも無く少なくも無く、我々にはぴったりの食事でした。妻は例によってハイボールで、私も旅に出た時くらいはとノンアルのビールで御相伴です。






その夜は寝る前にもう一度温泉に行ったのですが、露天風呂では3人の韓国人青年たちがお湯をかけ合いながらはしゃいでいました。とても楽しそうで微笑ましかったですし、他の客もいませんでしたからそっとしておこうかとも思ったのですが、私ももう一度露天風呂に入りたかったので静かにドアを開けて出て行ったところ、「ハッ!」とこちらに気付いて恥ずかしそうに黙り込みました。
悪いことしたかなと思ったのですが、すぐにまた遠慮がちに戯れ始めましたからまあいいだろうと少し離れたところに身を沈めてのんびりして来ました。それにしても無邪気で可愛げのある青年たちで、妻の女湯の方でも韓国人女性たちが楽し気に談笑していたそうですから、同じグループなんでしょう。
翌朝はゆっくり8時の朝食として、チェックアウト時限ギリギリの11時まで、ロビーで淹れて来たコーヒーを飲んだりしながら部屋で過ごしました。



それでも中之条からの帰りの特急まではまだ2時間以上の余裕がありましたので、もう一度温泉街の中心まで行って散策するか、それとも中之条まで戻って駅周辺を見て廻るか妻と相談し、結局もう中之条駅まで戻ってしまうことにしました。
中之条駅から、バスで通って来た街並みを少し歩いて戻って林昌寺という古いお寺を見学し、駅前で昼食を食べた後は指定の特急草津・四万2号で上野まで帰りました。
中之条町は歴史のある街で、戦国時代には真田氏が支配し、江戸時代には沼田藩領として、市場町として、また四万温泉・沢渡温泉の湯治客で賑わったのだそうです。林昌寺からもう少し歩けば古い町家建築や歴史博物館などもあったのですが、それには時間が足りませんでした。

帰りの特急草津・四万2号は、来た時とは逆に吾妻線・上越線・高崎線と走って徐々にスピードも上がり快適走行となっていくのですが、この高崎線は正式名称は宇都宮線と同じく東北本線です。東北本線は上野〜黒磯〜仙台〜盛岡〜青森と至る大動脈で、当然大宮〜宇都宮は東北本線ですが、大宮から分岐した大宮〜高崎も実は東北本線の支線扱いなのだそうです。当時高崎から先上越方面まで鉄路を延伸する計画はまだ無く、高崎止まりの東北本線の一部とされた名残であり、今は一般化している宇都宮線・高崎線は通称です。

また<前編>の冒頭で、近畿日本ツーリストをクラブツーリズムの親会社と書きましたが、現在では両社ともに持株会社「KNT-CTホールディングス」の傘下企業となっており、KNTは近畿日本ツーリスト、CTがクラブツーリズムですから、両社は今は親子関係ではなく兄弟会社だそうです。
セブンイレブンがかつてはイトーヨーカ堂の子会社だったのが今では圧倒的な稼ぎ頭となり、セブン・アイホールディングスの元で兄弟会社となったことと似ているのかも知れませんね。今やCT=クラブツーリズムの方が稼いでいるそうで、そこもネーミングセンスも同じなのですが、KNT-CTホールディングスは更に近鉄グループの傘下であるという違いがあります。