シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

インプットとアウトプット、労働時間

誰かに雇用される立場でなくなってみると、労働時間とその他の時間の区別は難しいことが段々とわかってきました。

よく自営の人たちが、我々はサラリーマンの皆さんと違って、24時間事業のことを考えてますから、みたいなことを言っていて、サラリーマン当時は正直「そうか?」と思っていましたが、、。

ある仕事を始めてからやり終えるまでには、

1.勉強する、調べる(インプットする)

2.準備する

3.アウトプットする

 の3段階が必要だと思いますが、この中で他人に明らかに労働時間と見てもらえるのは、3.のみかも知れません。

 

今回、若手営業マンへのメンタルトレーニング的な研修をしてほしいとの依頼を受け、まずは地元の大型書店へ資料探しに行きました。しかし適当なものがなく、久々に東京の八重洲ブックセンターまで出かけました。ここで書籍2冊購入し、amazonでも1冊購入。ここまででも丸1日はつぶれます。
あとはネットで参考になるような情報を集めたりするのに1~2日。構想をまとめてPPTや手元資料、配布資料などにするのに2~3日。都合6~7日は2時間程度の研修のために費やしました。

でも現地に出向いてアウトプットする時間は2時間ですから、外部からはこの1週間で私は2時間しか働いていない、と見える訳です。

賃金制度や評価制度みたいなことになると、テーマも大きいし、過去の知識が殆ど錆びついてしまってますので、もっと見えない部分の時間はかかることになるでしょう。

振り返ってみると、サラリーマンだって理屈は同じで、インプットしなければアウトプットできるはずはありません。でも会社のデスクでインプットしてる姿って、ともすればさぼってるようにも見られがちなんですよね。2.の準備段階はともかく、1.の勉強・調べもの、というのはそういう目で見られることが多くないですか?

それと企業では常に新しいアウトプットを求められる訳ではなく、これまでの繰り返し、または軽微な手直しで済む事も多いですから、インプットが切実な問題とならないケースもあるでしょう。(企業、職種によるのは勿論です)
アウトプットにぎりぎり8時間かけないとこなせない、という事情もあるでしょうが、結局仕事の本を通勤電車の中や、家に帰ってから読む、ということにしている人もいるのでは?

インプットも業務とすればこれも労働時間でしょうが、自己啓発との切り分けは難しいですよね。自宅で『持ち帰り残業』をしていたと認められるためには、自宅での作業時間が、労働基準法上の労働時間(業務)と言えることが必要で、法律上の『労働時間』は、『労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間』と定義されていますので、やはり、せいぜい上記の2.が、争ったとしても認められる限界のように思います。

現役当時の私はこれを当然に自己啓発とみなす立場でしたが、今では(ちょっぴり)気持ちは揺らいでいます。

 

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いらすとやより

一方で、アウトソーシングが普通になり、外部に依頼すればアウトプットが返ってくるようになって、一から自分で調べて、ということは減りましたが、その分専門知識を持った社員が減ってしまったのも事実です。単なる依頼者、ユーザーになってしまったことで専門性は薄れ、労働者としての市場での価値は下がっているように思えます。

昔の上司に言われた言葉で思い出すのは、「社員への最大の福利厚生は、社宅や家族手当などではなく能力開発だ。この会社が明日つぶれても、どこからでも引き合いのある実力を身に付けさせてやることだ。」というものです。
福利厚生という言葉の意味としては違うのかも知れませんが、真実だと思います。しかしそれを実行できたかと問われると、NO!ですね、、。

今の自分のことに戻ると、
実務から遠ざかっており知力も低下しているので、1.と、もう老化が進んでますので、1.以前の、体力・気力を維持・向上することには殊更時間が必要となりますが、2.と3.はこれまでの経験が一番生かせる部分で、むしろ生産性は上がっているかも知れません。(悪く言うと小手先でごまかすこともできなくはない)

口八丁手八丁の爺さん、というとても悪いイメージになってしまいますが。

 

 

 

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