この日は九度山の「くどやま旅館玉川亭」を出発して高野山にお参りし、関西ライダーのメッカである高野龍神スカイラインを走って龍神温泉に向かいます。
玉川亭のご主人によると、前日、前々日の土日が紅葉の時期ということもあり、人出のピークだったそうで、確かに前日九度山に向かっている時、反対車線は大阪方面に帰るクルマで相当渋滞していました。朝高野山方面に向かった人は、大渋滞で全然前に進まなかったと思いますよとご主人は言ってました。土日の空いている時に神戸大阪の都心部を抜け、平日に観光地に向かったのは結果的に大正解だったようです。
高野山も外国人観光客の方が日本人より多いくらいで、ゆっくり回れました。アジア系より欧米系の人たちが多かったですね。
高野山の入り口、大門です。
中心地である壇上伽藍周辺から奥之院に至るエリアは正に山上の一大宗教都市といった趣で、スケールの大きさに驚きます。
壇上伽藍の入り口にある中門(ちゅうもん)です。平成27年4月に再建されたばかりの真新しい朱塗りの門で、四方それぞれを四天王が守っています。
そして壇上伽藍の金堂、根本大塔、西塔、東塔、六角経蔵、金剛峯寺などを順にみていきました。壇上伽藍は高野山全体を金剛峯寺と考えたときの中心的存在だそうです。
紅葉がとてもきれいでした。
そして、弘法大師入定の地とされる奥之院に向かいます。ちなみに入定とは亡くなったということではなく、真言密教の修行の一つで、悟りを得るための究極の瞑想に入ることを意味するのだそうです。弘法大師は今もここで瞑想しながら救いの手を差しのべているのだとか。一の橋を渡り、一歩足を踏み入れると、これまでの雰囲気が一変し、静寂に包まれます。
織田信長、豊臣秀吉、武田信玄、上杉謙信など誰もが知る戦国武将の慰霊碑が敵も味方もなく並んでいます。その他、江戸時代の諸藩の墓所や、企業の慰霊塔、無名の人々の墓標が20万基以上ならんでいるのだそうで、その風景は壮観です。最初はそういった立派なお墓に感動していましたが、そのうち、あちこちに佇む名もないお地蔵さんにとても心惹かれました。
日が陰ってくると一気に暗くなり、石灯篭に灯りがともって幽玄な雰囲気に。
高野山のお参りを終え、高野龍神スカイラインという関西屈指の絶景道を龍神温泉に向かいます。確かにバイクでもとても楽しい道なのですが、あいにく前夜の雨でまだ路面が濡れているところも多く、更に紅葉が終わりかけていて濡れ落ち葉が多数あり、恐る恐るになってしまいました。でも路面が乾いているところは最高で、高野山に多くの時間を割いたため、90km弱と短いライディングでしたが十分満足しました。
この日の宿は、龍神温泉のちょっとはずれにある「季楽里龍神」です。わたしの宿選びの基準からすると豪華で大規模な宿で、今回のツーリングでは最大です。
龍神温泉は川中温泉(群馬)、湯の川温泉(島根)と共に日本三大美人の湯と言われているんだそうで、今回初めて知りました。失礼ながら龍神温泉はともかく川中温泉、湯の川温泉はさほどメジャーな温泉ではないような、、。