平日の空いた道に味を占め、専ら平日ライダーとなっていますが、寒さには弱いので、またまた成田市までプチツーリングです。
とはいってもこの日は成田空港ではなく、成田線の滑河駅近くにある、「オートパーラーシオヤ」というレトロな自販機が並んだ無人店舗が目的地です。
ここも前回の成田空港と同様、年末年始のTV番組で神奈川の自動販売機コーナーが紹介されていたのに触発されての行動です。TVを見なくなったと言いながら、何だかんだで見ていますね。
天気もいいので、利根水郷ラインに出て、利根川沿いを走ります。今年は暖かいとはいえ、利根川は冬枯れの景色です。
数年前にも訪問していますが、変わらずいい味を出しています。
この日は昼前ということもあり、数人の先客がいました。左側の赤いバイク2台は、(モンキー?ゴリラ?)先に食べ終えて、私のより数倍いい排気音を残して去っていきました。
天ぷらそばを食べました。前回来た時は天ぷらうどんだったので今回はそばにしたのですが、私にはうどんの方が好みでした。でもツユはとてもおいしかったです。
何せ300円ですし、味より郷愁を求めているのですから、あれこれは言いません。
きれいにメンテナンスされていますが、老朽化は避けられず、上の写真の「ボンカレー(この文字が消えかかってますが)ライス」の自販機他数台は修理不能との張り紙がしてあって、店主の方の苦労が想像できます。
そもそも、こういうレトロな雰囲気に何故惹かれるんでしょう?歳を取ったから?もちろんそうでしょうが、その感じ方は男と女では違うようにも思います。少なくとも我が家では家内にはそんなに懐古趣味はなく、昔を振り返ってなつかしがる私は常にジジイ扱いされます。
心理学のある研究によると、人間がなつかしさを感じやすいのは少しネガティブな気分のときで、なつかしさを感じた後は逆に少しポジティブな気分に変わることがわかっているのだそうです。
また人間の記憶は、「エピソード記憶」と「意味記憶」に分類され、エピソード記憶は友だちと遊んだなど自分が過去に体験したことの記憶、意味記憶はものの名前など一般的な知識で、なつかしさはエピソード記憶と関わっているのだとか。
そういう視点では、この自販機コーナーは、まさに私がバイクやクルマの免許を取り、距離や時間に制約されず行動できるようになって羽を伸ばし始めた頃の、友達との遊びの記憶と直結した「エピソード記憶」の場所なのです。
当時、コンビニもファミレスもなく、24時間やっている店は幹線国道沿いの「ドライブイン」(若い人は知らないでしょうが、広い駐車場を備えた、長距離ドライバー等を対象にした食堂です。)か、この「自販機コーナー」で、そこが若い奴らの夜中のたまり場でした。この頃は無人店舗というのが、何か新しいという感覚もあったかと思います。自動化、とかオートメーション、という言葉に未来を感じてもいましたね。
ですから、今人手不足に直面した小売業界が、否応なく取り組まざるを得なくなっている、省力化、無人化とは一味違ったものだったと思います。
そういえば、鳴り物入りで登場した中国の無人店舗も、今や閑古鳥が鳴く状況のようです。純粋に買い物という行為だけなら、ア〇ゾン等に勝つことは難しそうで、買い物という行為に付随して、行きたいと思わせる何かが必要なんでしょうね。
そばを食べ終わってもまだ昼過ぎですから、近くにある「成田市下総歴史民俗資料館」に立ち寄ってみることにしました。先日の「深川江戸資料館」から歴史づいています。
「オートパーラーシオヤ」からはバイクでほんの1~2分の距離で、下総総合公園という広大な敷地の中にあります。野球場、テニスコート、運動広場、キャンプ場、サイクルロード等盛り沢山です。
かつてこの辺りは利根川の土砂を使った鬼瓦の生産が盛んで、「下総鬼瓦」と呼ばれていたのだそうです。
仁王像や狛犬と同じように、鬼瓦にも「阿形(あぎょう)」「吽形(うんぎょう)」があることを初めて知りました。
駐車場には何匹もの猫たちが、のんびり日向ぼっこしています。近寄ろうとすると逃げますが、野良はそのほうが安全です。でも耳に切り欠きがありますので、地域猫のようです。
利根川方面を望む高台にあります。この辺りが「下総(しもうさ)台地」の北限にあたるようです。
この写真では対象物がないのでわかりにくいですが、先日成田空港で見た航空機はこの辺りではもう相当な高度にまで舞い上がっています。これはタイ航空ですかね?
朝方は寒かったですが、穏やかな晴天でどんどん気温も上がり、気持ちの良いプチツーリングでした。前回に続き100km弱の走行です。