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映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」を観ました。

 

Amazon Primeで「記者たち 衝撃と畏怖の真実」という映画を観ました。監督は「スタンド・バイ・ミー」や「最高の人生の見つけ方」のロブ・ライナーで、彼は重要な役どころで出演もしていて、こんな人だったのかと初めて知りました。

 

 

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参照:https://eiga.com/movie/90232/photo/

 

皆さんは、ナイト・リッダーという新聞社をご存じですか?「記者たち」とは、このナイト・リッダー社の記者のことで、複数の地方新聞が連合した通信社としての機能を持つ、アメリカの中堅新聞社でした。(その後同業他社に買収されました)
ワシントンポストやニューヨークタイムズ等の有名紙ではなく、地方の中小紙を束ねた新聞チェーンだったので知名度は高くなく、映画の冒頭でも、ナイト・リッダーって何だ?みたいなやり取りがあります。少なくとも私はこれまで名前すら聞いたことがありませんでした。

 

2001年の9.11同時多発テロの後、アメリカが急速にイラクとの戦争に突き進んで行く過程で、大手マスコミは揃ってそれを後押しする姿勢だった中にあって、唯一反対の立場を貫いていた新聞社なのだそうです。

 

eiga.com

 

池上彰さんがこの映画の字幕監修もしているのですが、彼が元NHK記者の立場で語るところによると、日本に限らず政権への忖度と言うのはどこにでもあり、勿論アメリカも例外ではないそうです。それは最近の報道を見ていても感じることは多いですし、特定のマスコミへの露骨な差別も良く見られます。トランプのCNN敵対視や日本でも当時官房長官の菅さんの東京新聞への塩対応等見ていると、こうなると取材もやり難いし、譲れるところは譲っておこうという心理になるのもわかります。そしてそれが徐々にズブズブの関係に、、、ということもありそうな気がします。

 

現実に、ワシントン・ポストのジュディス・ミラーというピューリッツアー賞も受賞したこともあるような大物記者が、政府からの情報をそのままに「大量破壊兵器はある」という記事を書き続け、結果的に開戦の片棒を担ぐようなことになってしまいました。今では彼女は、当局からのリークに頼った御用記者という烙印を押されてしまっているのだそうで、この映画でも魔女のような扱いをされていました。

 

映画の中で、「我々の読者は基地がある町にいる。もしすべてのメディアが政府の広報になるならやらせとけ。われわれは子どもを戦場に送る親たちの味方だ」「政府がなにかいったら必ずこう問え“それは真実か”」。ロブ・ライナーが演じる支局長がそう檄を飛ばす場面は感動的です。ナイト・リッダーは地方紙の連合体ですから。

 

政府の中ではパウエル国務長官が最後の砦という描かれ方をしていますが、彼は大学卒業後陸軍に入隊し、アフリカ系アメリカ人として初めて制服組トップである統合参謀本部議長に登り詰めた人です。彼を含めて軍人や現場の人間への好意が強く表れていて、逆に現場を知らないお偉方、特に政治家への批判的姿勢や反エリート主義姿勢が明確です。現場を知らない雲の上の人物が事件をかきまわす、というのもアメリカ映画によく出てくるパターンですね。

 

ナイト・リッダー社はこの後買収されて無くなってしまうのですが、この反体制を貫いた姿勢が原因だったんじゃないかとも思えてしまうような映画でした。
最後に、この映画の邦題は「記者たち 衝撃と畏怖の真実」ですが、原題は「Shock and Awe」で、単に「衝撃と畏怖」というものです。邦題が原題と全くかけ離れて、何それ?ということも多いですが、この邦題は良くできていると思います。

 

 

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