シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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12月、師走です。

 

新型コロナに振り回された2020年も、もう12月です。
12月といえば「師走」で、師(孔子又は儒学の先生、又はお坊さん)も走り回るくらい忙しい月、というのが有力な説なのですが、これは俗説であり「しはす」という音に「師走」という漢字を後から当てたのだ、という説もあるのだそうです。

 

どういう事かというと、「しはす」とは「しはつつき=為果つ月(一年の終わりの物事をなし終える)」や、「としはつるつき=歳果つる月」が訛ったものとして元々あったもので、それに「師走」を当てた、という事なのです。
ではこの説の通り、12月が全てが果てる月であるならば、年の終わりと共にコロナも終息、となって欲しいものですが中々そううまくはいきそうもありません。
じっくり構えてコロナと向き合わないと、アビガンが承認されそうとか、ワクチンがもうすぐ実用化とか、やはり効果は無いそうだとか、その度に一喜一憂していては疲れてしまいます。

 

昔ベトナム戦争で北ベトナム軍の捕虜となり、長期の抑留の末に生還を果たしたストックデールという米軍将校の言葉を、ストックデールパラドックスと名付けて、ジェームス・C・コリンズが「ビジョナリーカンパニー」という著作に取り上げているそうです。この本は私も読んだ(読まされた)ことがあるはずなのですが、全く覚えていません。

「わたしは結末について確信を失うことはなかった。ここから出られるだけでなく、最後にはかならず勝利を収めて、この経験を人生の決定的な出来事にし、あれほど貴重な体験はなかったと言えるようにすると」

どのような人物がそれをできなかったのかというコリンズの問いに対して、ストックデールは次のように答えた。

「楽観主義者だ。そう、クリスマスまでには出られると考える人たちだ。クリスマスが近づき、終わる。そうすると、復活祭までには出られると考える。そして復活祭が近づき、終わる。つぎは感謝祭、そしてつぎはまたクリスマス。失望が重なって死んでいく」(ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則)

安易な楽観は激しい失望を生み、それが絶望となってその人を襲う、という事なのでしょうね。

 

そう言えばまだ私が中堅社員と呼ばれていた頃、社内でも有名な鬼上司に仕えたことがありましたが、その人の口癖は「最悲観論で準備し、楽観的に(大胆に)対応せよ」というもので、「お前はそれが全く逆だ!」と散々叱られたものです。
今から考えるとこの上司の言葉はまさにビジョナリーカンパニーに書かれている事で、私にこの本を読ませたのはこの人だったのかなとも思っています。ですから私はストックデールさんに言わせると、根拠のない楽観論に支配されて、いざとなった時に絶望して死んでいく人間だったのです。残念ながら憶えてもいないのですから、結局私は変わることもできず、この上司の期待にも応えられていなかった、という事です、、。

 

コロナについてはこれを教訓に、安易な楽観に走らず、悲観的に準備をして事に当たる、という風にありたいものです。

 

 

 

 

 

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