桜旅も12日目となり、中国地方でも満開に近いところが多くなって来て、毎日が眼福です。ここからは鳥取に抜けて丹後・若狭というあまり行ったことのない地域から北陸を回って帰ろうと思います。
その前に、ここ福山SAからも近い鞆の浦に行きます。小さい頃祖母に連れられて来たようなのですが、記憶が定かではありません。ただ、帰りに乗った福山港から香川県の多度津港までの定期航路(当時は瀬戸内海にはこういった定期航路が沢山ありました。)で、その船の船長だか航海士だかが、たまたま祖母の教え子であり、偶然を喜んで一室しかない特等室を使わせてくれたことだけはよく覚えています。今なら服務規律違反だの何だのでうるさいことになるでしょうが、昭和のおおらかな時代の話です。
福山SAから福山東ICまで進んで高速を降りれば、30分程で鞆の浦に着きます。駐車場にクルマを停め損ねて昔の街並みの中に入り込んでしまい、引き返すのも面倒でしたから、先にこの街を見下ろす後山という山に登ってみることにしました。期待以上の景観で満足したのですが、駐車場には「ポニョの駐車場」という表示が。ここでジブリ映画「崖の上のポニョ」のロケが行われたんだそうですが、アニメなのにロケやったんですね。
鞆の浦といえばやはり港の常夜燈ですが、街並みも良く保存されていて風情がありました。朝早かったので空いていたのですが、古い町家で営業していたカフェでコーヒーを飲み、帰ろうとしている時に観光バスが到着して大勢の外国人観光客が降りて来ました。
ここから鳥取県に北上する予定でしたが、ここまで来たら父の墓参りにも行かない訳にはいきません。ここ広島県最東部の鞆の浦から岡山県西部の実家や父の墓までは1時間もかからない距離ですので、祖父母の墓には行って俺のとこには来ないのかと怒られそうです。その前に実家近くの丘の上の公園に立ち寄って桜見物をしたのですが、ここはまだみんな若かった頃に何度か来た公園です。
墓参りと言っても、納骨堂で永代供養してもらっていますので墓守りの必要はなく、線香と花を納骨堂前に備えて拝んでくるだけです。その後母と近くのカフェで昼食を食べ、その足で私は鳥取へ向けて出発しました。
岡山県から鳥取県へは中国山地を抜けて行くのですが、途中通った岡山県道33号線は、九州で桜の見事さに感動した国道327号線に匹敵する見事な桜街道で、下の写真以外でも沿道の多くの桜を堪能しました。
鳥取県に入ってこの日最後に立ち寄ったのは、西伯郡南部町にある、法勝寺川土手桜という所です。ここもこれまで何度か訪問したのと同じ土手の桜並木ですが、段々日が傾いてきて暗さが増した風景と桜の薄い桜色、黒い幹が何とも言えず美しかったです。この時間には訪れる人も少なくなっていて最後は独り占めでした。
この日の宿泊は鳥取からまた島根に戻って安来市にある「道の駅あらエッサ」としたのですが、さすが安来節の地元、このネーミングは秀逸ですね。
道の駅に向かう途中、このあたりのシンボルでもある大山が良く見えていたのですが、その内に日が暮れてしまい、急いで日帰り温泉に立ちよった後、道の駅に着いた時にはもう真っ暗でした。
中国地方の道の駅は車中泊を歓迎していないようでしたから、この日もサービスエリアでと考えていたのですが、山陰自動車道にはサービスエリアが少なく、ここは勘弁して貰う事にしました。しかし同じ事情の人も多いようで、ここには多くの車中泊組が居ました。