家内が一回目の新型コロナワクチンを接種した日、自宅に戻ってからは副反応も怖いので安静にしておくとの事で、私もお付き合いで自宅待機となりました。
もっとも私の自宅待機は珍しいことではなく日常とさほど変わりはしないのですが、何だかいつも以上におとなしくしておかなければならないような気分になって、久し振りにAmazonプライムで映画でも観ようかという気になりました。
安静にしておかないといけない御本人様は、溜まっているTV番組の録画を観ることにするとのご意向でしたので、リビングの大画面は譲り、部屋のPCで鑑賞です。
ここのところご無沙汰でしたので結構未視聴の映画が増えていて、その中でまずは標題の「マイ・プレシャス・リスト」を選んで観終えたのですが、結構面白くて勢いが付いてしまい、更に「ビリーブ 未来への大逆転」も続けて視聴となりました。
「マイ・プレシャス・リスト」は、ベル・パウリーというイギリス出身の女優が主演で、顔に見覚えがありましたので後で調べてみると、以前観た「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」で妹のマーガレット王女役を演じた女優さんでした。
主人公は19歳にしてハーバード大学を飛び級で卒業した天才ですが、コミュニケーション能力に欠け、友だちも仕事も持たずに暮らしていました。そんな時、唯一の話し相手であるセラピストから6つの課題が書かれたリストを渡され、それを1カ月でクリアするように指示されます。半信半疑ながらも、それらを実行していく主人公が課題を通して、自分自身の変化に気づいていく、というストーリーで、その課題リストがマイ・プレシャス・リストなのです。
これ以上内容には触れませんが、天才とはいえ知能以外の面ではむしろ幼い、多感な19歳の女性の心理をうまく描いていたと思います。
そして勢いで見始めた「ビリーブ 未来への大逆転」は、これもイギリス出身の女優、フェリシティ・ジョーンズ主演で、彼女も「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」等に主演していますから顔はわかりました。
実話をもとに、男女平等裁判に挑んだ女性弁護士を描いたドラマで、女性差別が当然とされ、法曹界も女性に門戸を開こうとしない時代のアメリカで、非常な努力の末に最高裁判事まで上り詰めた人物です。
現在からは想像できない程保守的で、男性は職場、女性は家庭ということが当然とされたアメリカ社会で、男性に伍して活躍した主人公のこともさることながら、私はそんな時代にあっても主人公の能力を信じ、自らも多忙な職にありながら家事を分担したりして献身的に支えた旦那さんに感動しました。
私自身はこれまで家内に支えられることばかりで、彼女を支えることは殆どして来ていませんし、この映画に描かれているように、男性は職場、女性は家庭というのが一番平和で幸せなんだと何も考えずに思い込んでいたことも身につまされます。
中でも結婚当初に、私自身が幼い頃「鍵っ子」で寂しい思いをしたので、せめて子供が小学校中学年(3~4年生)までは家庭に入って欲しいと依頼したことは、今から考えるとその最たるものです。
もちろん二人で話し合って合意したことではあるのですが、私の意向が大きく作用したのは間違いありません。
確かに私が幼少期の四国の田舎では、周囲が大家族の農家ばかりということもあって私のような「鍵っ子」は殆ど見たりませんでしたが、数十年後の首都圏にあっては共働き家庭はむしろ当たり前で、私の要求自体がズレていたんだなあとこの映画を見て改めて感じました。職場では男女の機会均等を推進する部署だったはずなんですが、、。
そして家内(という言葉自体が、女性は家庭に、という表現ですよね。)は出産を機に会社を辞めて家庭に入り、ある程度子供たちが大きくなってからヨガ講師の資格を取ってフリーで働くようになりました。今に満足しているとは思う(思いたい)のですが、この映画の旦那さんのように私も育児・家事に積極的に参加していたら、少なくとも家内の人生が今とは違っていたことは確かです。