シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

人形町今半、人形町の思い出

 

人形町今半といえば近江牛のすき焼きで有名なお店ですが、鉄板焼ステーキも美味しいのです。この2年程コロナの影響等もあって行けませんでしたが、久し振りに訪問しました。表に面して肉屋さんがあり、横手の路地に飲食部門の入口があります。2階がすき焼き・しゃぶしゃぶで、1階が鉄板焼ステーキ、こちらは「喜扇亭」と別名がついています。

 

40年位前、韓国駐在から帰って最初に配属になった営業部の事務所がここからも近い水天宮のあたりにありました。今から考えるとえらく粋な場所に事務所を作ったものですが、学生時代は新宿・渋谷など東京の西側が主なテリトリーでしたから、東京といってもこの辺りのことは全く知らず、何だか古くてパッとしない街だなあというのが当時の正直な感想でした。
しかし私の目には古い和風建築としか見えていなかった中にも、知る人ぞ知る料亭や寿司屋などが幾つもあったんだそうです。
江戸時代にはここに最初の幕府公認遊郭(元吉原)ができ、遊郭移転後もこの一帯には芝居小屋や陰間茶屋(男娼の店)が多く存在したことがあるようですから、それ以来の歴史なんでしょうね。そういえば大門通りというのもあって、これも遊郭の大門の名残だと思います。

 

当時私は人形町駅界隈や、浜町まで続く甘酒横丁に昼ご飯を食べに出ていたのですが、その時に見つけたのがこの人形町今半だったのです。当時から高級店ではありましたが、喜扇亭でのランチタイムなら、1500円程で鉄板前のカウンターに座り職人さんに焼いてもらう本格的な近江牛ステーキが食べられたのです。
その頃の昼食価格からすれば1500円でも随分高かったのは確かですが、4年間の韓国駐在から帰ったばかりで、海外赴任手当等で裕福になった懐はまだまだ温かかったですから結構通った覚えがあります。しかし下戸ですので一人で酒を飲みながらの夕食という習慣もなく、ディナータイムに行ったことはなかったですし、仲居さんにサービスしてもらう2階のお座敷も若造の私には恐れ多くて上がったことはありませんでした。

 

転勤で東京を離れ、その後転職して10年程経った後、再び東京勤務となって、久し振りにこの店に訪れることになりました。
その時は、相手はよく憶えていないのですが取引先の人と、2階のすき焼きをそれもディナーで初体験したのでした。予想通り仲居さんとの会話はぎくしゃくしましたが、連れの人達が場をつないでくれたような記憶があります。
当時はそれでも鉄板焼のランチコースならまだ2500円程度で食べられましたから、年に一度の贅沢という感じで、家族でも1Fの喜扇亭に来るようになりました。今では価格が数倍に高騰していますが、何とか頑張って家族サービスは続けています。

 

この日はコロナ以降2年ぶりの訪問でしたが、娘はいませんでした。
緊急事態宣言解除以降、友人や職場の先輩・同僚との付き合いが一気に再開して、今現在一番忙しくしているのは娘であり、この日も娘が12月で唯一空いている土曜日という事で設定したのですが、前週になって痛恨のダブルブッキングが発覚。この日は泣く泣くそちらの予定を優先したのです。

 

結果的に私たち夫婦と息子、そして息子の彼女の4人となりましたが、個室を用意してくれていましたので、ゆっくり会話しながらの楽しい会食になりました。この日焼きを担当してくれた職人さんは会話が上手で、たまたま私たちが先日訪れた横須賀出身だったという事もあり、うまく我々の会話を盛り上げてくれました。ここの職人さんたちは皆さん感じの良い人なのですが、やはり場をうまく盛り上げる話術は大事ですね。
職人さんの目の前で写真を撮る度胸がありませんので、コースが始まる前と、焼きが終わりデザートになって、職人さんが居なくなってからの写真だけ載せておきますが、私の飲み物だけは水です、、。デザートには七福神をかたどった名物の人形焼きが乗っていて、私は「大黒天」でした。打ち出の小槌で福を呼んで欲しいものです。

 

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食後には、ほうじ茶で有名な甘酒横丁の「森乃園」二階カフェで、ほうじ茶ラテなどを飲んでから、息子たちと別れました。娘はいませんでしたが、年末の恒例行事が復活して、しばらくぶりに年の瀬という雰囲気を味わいました。

 

人形町には今半や森乃園以外にも老舗が多くありますが、40年も前に行っていた店が今だに頑張っているのはさすがだなあと思います。今半の前にあった洋食の「芳味亭」は甘酒横丁に移転し、親子丼の「玉ひで」などと同様に、今や大変な有名店になっていますし、有名店という訳ではありませんが、良く通った天ぷら屋さんや蕎麦屋さんなども健在で嬉しくなります。

 

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