世間を騒がせる高齢者対象(?)の詐欺行為にまんまと引っかかってしまった情けない話なのですが、情報共有の意味からもここに顛末を書くことにします。
ある日ヤマトさんが、Amazonさんからですと宅急便を持ってきました。
Amazonは私だけでなく妻もプライム会員で良く使いますし、特にコロナ禍真っ最中の頃は、本当に毎日のようにAmazonからの荷物が届いていたもので、今回私は何も注文していませんでしたが、妻が注文したものだと思って、疑うことはありませんでした。ただいつもと違うのは、宅急便コレクトという代金引換えの商品だということでした。
私も妻もクレジット払いしか使いませんし、その点は不審だったのですが、一階のインターフォンからの連絡でしたので、とりあえず我が家の玄関まで上がってきてもらい、品物を確認すると、大塚製薬の「アリナミンナイトリカバー50ml・10本セット×5」というもので、注文者は長男、発送元はAmazonとなっています。
そもそも一人暮らしの長男が実家宛に品物を送らせる事、しかも代金引換にすること自体がおかしな話なのですが、息子はこの手の栄養ドリンク類が好きで良く飲んでいますし、その時ちょうど在宅勤務中だった娘とも、「お兄ならあり得る」的なやり取りをして、住所の件は昔登録していた実家住所を間違って設定したのだろう、代引きも何かの都合だったのかなと、勝手な解釈で自分を納得させてしまいました。
しかし「アリナミンナイトリカバー」は、栄養ドリンクではあっても名前の通り睡眠の質(眠りの浅さや目覚めの悪さ)を改善するというもので、息子が不眠等で悩んでいることは聞いたこともありませんので、その点でもおかしいと気付くべきなのですが、その時はアリナミンという事だけしか見ていませんでした。
またその時が午後1時前で、連日の猛暑で汗びっしょりになった馴染みのヤマトの女性配達員さんに、かなり重いその荷物を、受け取らないのでそのまま持って帰ってと言うのが忍びなかったということもありますが、それは自分の迂闊さに対する言い訳を後付けで考えたに過ぎないかも知れません。
結局代金7,512円也を配達員のお姉さんに渡し、その日の夕方退勤してきた息子に確認したところ、「何それ?」という返事が返ってきました。この時点で「やられた!」と思ったのですが、それにしては、アリナミンナイトリカバー50mlを50本で7,500円というのはほぼ市場価格であり、詐欺行為までしてどんな利益があるのかがわかりませんでした。
そこで再度荷物をひっくり返してみてすぐ理由が判明しました。期限切れ商品を売りつけられていたのでした、、。
それにしても、送り元は「amazon.co.jp」で、住所もアマゾンの物流拠点になっていますし、裏の賞味期限管理タグの(株)大木も、医薬品や健康食品の流通を担う大手会社ですから、その場で注文者である息子に確認を取らない限り、疑うことは難しかったと思いますし、別居でしかも出勤中の息子にそれはできませんでした。
もちろん、アマゾンや大木が詐欺行為をしたと疑っているわけではなく、巧妙に彼らの名前を騙った何者かが犯人なんだと思います。
金を払った(引っかかった)のは私なので、すぐアマゾンと補償交渉をしようと思ったのですが、自分の名前で詐欺行為を働かれた息子が自分がやるよと言いますので、以降は彼に任せることにしました。
息子はまずヤマトに、誤配送や詐欺の類だった場合代引き料金は戻るかの問い合わせをしたらしいのですが、ヤマトではそれはできず、直接アマゾンとやり取りしてほしいとの回答だったそうです。
そしてアマゾンからの回答は、第三者のアカウントから発送されていた、注文者の目的等々についてはアマゾンでは調査不可、注文者のアカウントは今後注文ができないよう手配済み、息子のアカウントに不正アクセスされた痕跡はないのでアマゾン以外の場所で住所等の情報を取得したと思われる、という調査結果であり、代金は息子の銀行口座に後日全額返金され、息子から私に無事返ってきました。
商品の返品は不要、使用しても廃棄しても良い、とのことでしたがそもそも賞味期限切れですから廃棄するしかありません。
全部ガラス瓶ですから結構重くて邪魔になっていますし、中身をすべて廃棄して、洗浄して、というのはかなり手間で、妻はむしろそっちに怒っています。
まあ不審な着払いを私のようにうかつに受け取る方も少ないとは思いますが、何かの参考になるかも知れませんので、タグ等の写真もそのまま(住所氏名はぼかしましたが)載せておきます。皆さんもお気を付け下さい。