シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

町田そのこ著:「52ヘルツのクジラたち」を読みました。

 

私がいつも愛読しているブログで紹介されていた、表題の本を読んでみました。
ある方のブログに触発されてドライブに出掛けてみたり、バイクツーリングの参考にしたり、今回のように紹介された本を読み始めたりと、ブログを書く以外でも、私の生活にブログはかなりの影響をもたらしています。

 

 

町田そのこさんという著者をこれまで知らなかったのですが、読んでみると、とても重いテーマを、もったいぶった言いまわしや難しい言葉を使わない、読みやすい文体で、流れるように書いている印象でした。最初は、コミカルで軽妙な若者同士の掛け合い、といった会話のやり取りに少し違和感があったのですが、読み進めるうちにその感じは薄まって来ました。2021年の本屋大賞第1位作品で、2024年春には映画化も決定しているのだそうです。
主演は杉咲花と決まっているようですが、その他はどんな俳優陣で、どんな場面設定で作品化されるのか。あまりミーハーなキャストにせず、じっくり楽しめる映画にして欲しいですし、それなら是非観てみたいです。

 

芥川賞や直木賞など文学賞は色々あり、本屋大賞がどれだけ権威のあるものなのかは知りませんが、「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本」がキャッチコピーで、我々一般読者の感覚に近い評価がされている印象はあります。とはいっても、私自身これまで本屋大賞を意識して本を買ったことは殆どありませんし、今回もたまたまですから大きなことは言えません。

 

映画にしても小説にしてもネタバレをしないことを前提にすると紹介はとても難しいですので、著作名にもなっている「52ヘルツのクジラ」の意味を、ちょっと長いですが引用するにとどめます。

Wikiによれば

52ヘルツの鯨は、正体不明の種の鯨の個体である。その個体は非常に珍しい52ヘルツの周波数で鳴く。この鯨ともっとも似た回遊パターンをもつシロナガスクジラやナガスクジラと比べて、52ヘルツは遥かに高い周波数である。この鯨はおそらくこの周波数で鳴く世界で唯一の個体であり、その鳴き声は1980年代からさまざまな場所で定期的に検出されてきた。「世界でもっとも孤独な鯨」とされる。
音紋は鯨のものに他ならず、その周波数だけが独特である。52ヘルツというのはチューバの最低の音よりわずかに高い。その呼び声のパターンはシロナガスクジラともナガスクジラとも似ておらず、ずっと高周波数で、短く、より頻繁である。シロナガスクジラは、普通10~30ヘルツで鳴く。ナガスクジラは20ヘルツである。52ヘルツの鯨の鳴き声はその繰り返しパターン・持続時間・音の並び方のばらつきが大きいにもかかわらず、その周波数と特徴的なまとまり方のために同定するのは容易である。1992年のころから比べてその声はわずかに低くなっており、おそらくこの鯨が成長・成熟したためにそうなったのだと推測されている。

~中略~

どんな生物学的な原因があるにせよ、そのまれな高周波の声がこの鯨の生存の妨げになっているわけではないようである。この鯨が生存しており、おそらく成熟していることからして、この鯨はおそらく健康である。にもかかわらず、その独特な呼び声に類するものは他になく、その源はたったひとりである。それゆえに、この個体は世界でもっとも孤独な鯨と呼ばれている。

 

自分の声が誰にも届かない、この世で一番孤独とされるこの52ヘルツのクジラを主人公たちになぞらえた物語とだけ書いておきます。
心当たりのある方は必ずいるでしょうし、そういう方にはしんどいストーリーかも知れませんが、読後感は決して苦しくはないと思います。

 

 

 

 

 

 

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