シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

那須烏山市:洞窟酒蔵、簗の落ち鮎、龍門の滝

 

仕事上のお付き合いがある方から、栃木県の那須烏山市にご招待頂きました。
烏山にある老舗酒蔵で戦時中の洞窟を使った酒蔵見学や利き酒をした後、那珂川に設けられた観光簗(やな)にかかった落ち鮎を食べさせて頂くというありがたいお誘いです。

 

前日宇都宮市内での仕事を終えて後泊し、翌日宇都宮駅前でピックアップしてもらいました。
送迎はハイエースのグランドキャビン10人乗りで総勢7名がゆったり乗車できましたし、私の商用ハイエースとは違ってサスは柔らかくシートもフカフカ、そしてガソリンエンジン車でしたから音も静かと、乗客としては言う事なしでしたが、ドライバーとして考えればスーパーロング、ワイドキャビン、ハイルーフは相当デカいですね。殆どマイクロバスという感じです。

 

那須烏山市は宇都宮市の北東に位置し、茨城県との県境の街でもあります。烏山城の城下町として栄えた、栃木県東部の歴史ある街で、確かに街並みにも歴史を感じました。
まず案内してもらったのは島崎酒造という酒造メーカーが持っている、洞窟を利用した貯蔵庫=酒蔵です。
この洞窟は、太平洋戦争末期、地下工場として山腹をくり抜く形で手掘りでの工事が始まり、戦車の製造工場となる予定だったのだそうですが、未稼働のまま終戦となり、その後は放置状態でした。それを当時学徒動員でこの工事に駆り出されたこともあった会長(先代社長)が思い出し、調べてみたところ全く無傷な状態で残っていたので、清酒の保管場所としての活用を思いついて、地権者の協力も得て運用を開始、現在では「どうくつ酒蔵」として一般観光客の受け入れもしています。

 

 

この会社は東力士という清酒を作っているのですが、大吟醸酒の長期熟成をこの酒蔵で行っており、熟成古酒、塾露枯(ウロコ)として販売しています。最も古いものは50年物にもなるのだそうですが、これにはまだ値が付いておらず、30年物の88,000円が現在の最高値、最近アメリカのバイヤーが興味を持って訪れてきたそうですから、近々驚くような高値となるかも知れません。洞窟内の気温は平均10℃と安定していますが、年間通じて5~15℃といった変化はあります。ただこれはワインの地下貯蔵庫(カーヴ)と同じ条件で、これがワインと同じく清酒の熟成にも最適なのだそうです。

 

この後島崎酒造の本社売店で利き酒をした際に、日本酒好きの息子のために300mlの10年物熟露枯をお土産に買ってやりました。冷蔵していましたので瓶が結露していますが、淡い琥珀色でとても美しいです。

 

 

その後は、市内を流れる那珂川沿いに設置された「簗(やな)」へ向かいました。
簗とは、河川に杭や石などを敷設して水流を堰き止め、誘導されてきた魚類の流路をふさいで捕獲する漁具・仕掛けのことで、河川を遡上する魚を捕える「上り梁」と、下る魚を捕える「下り梁」に分類できます。この時期は河口で産卵する為に川を下り始める「落ち鮎」をとらえる「下り簗」で、多くの子(卵)を持つこの落ち鮎を食べさせてくれる観光簗に案内してもらったのです。

 

 

全てが天然物とはいかず一部養殖も混じっていましたが、炭火で焼く子持ちの鮎は絶品でした。塩焼きも一人3尾と大盤振る舞いで、その他フライ、刺身、田楽、鮎飯の焼きおにぎりと鮎尽くしで鮎を堪能しましたし、呑めるクチの同行者たちは、先ほどの島崎酒造から特別に持ち込ませてもらった大吟醸でいい気分に酔っぱらっていました。

 

 

帰り道、やはり那須烏山市内にある「龍門の滝」に寄って、宇都宮まで送ってもらいましたが、この滝にはかなり前バイクで来たことがあります。
この時は烏山の南方にあるツインリンクもてぎ(今はモビリティリゾートもてぎ)に行った後この龍門の滝に寄り、袋田の滝を回って帰ったはずです。
この日はきれいに晴れて、暑くも寒くもない絶好の行楽日和でしたし、那須烏山という街も趣きがあって、思い出に残る一日となりました。

 

 

 

 

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