シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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新型コロナ感染に怯えたこと

 

読売新聞の「編集手帳」欄に向田邦子さんの随筆が紹介されていました。

 

「冬になるとよく体験することですが、『あ、いま、風邪ひいたな』と思うことがあります」 (若々しい女について、「向田邦子著、新潮文庫『男どき女どき』」所収)
風呂上がりにうっかり薄着でいて、くしゃみをした瞬間だろうか。「あ」の後は今だったら、こう続くに違いない。「どうか、ただの風邪でありますように」。おちおち風邪もひけない社会になって、ひと月以上が過ぎた。

 

私もまさにこんな体験をしたのですが、結論から言うとコロナ感染ではありませんでした。だからこうやって記事が書けている訳です。

 

4月の始め、朝起きるととても喉が痛く、頭痛もします。この時の思いが、上にある「あ」だったのです。体温を測ると37°C、平熱36.3~4°Cの私としては微熱ですかね?「どうか、ただの風邪でありますように」、本当にそんな気持ちでした。

 

3月の始めから、コロナ対策は自分なりにやってきた積りですし、正直心当たりもないのですが、対策をしたうえでの会議や、限られたメンバーとの昼食位は覚えはあります。100%安全と言い切れるかというとそこまでの自信はありません。

 

しかし私の場合それよりも気がかりなのは、子供たちからの2次感染の可能性でした。息子は会社がテレワークを開始した3月中旬までは満員電車で毎日通っていましたし、都内のライブハウスでバンド活動もしていました。勿論息子のバンドはアマチュアですから、殆ど知り合いばかりで小規模なものではありますが、それでも大きな心配事でした。また娘の方はちょうど大学の卒業時期で、卒業式、ゼミ・バイト先でのお別れ会と行事が多くありました。都内の大学の卒業式での感染というニュースがあり、どこの大学かはわかりませんが同じ日の卒業式でしたので、こちらも大層心配でした。

 

私が風邪っぽい症状となった時、子供たちはピンピンしていて兆候もありませんでしたが、若者は無自覚で感染させることもあると報道されており、やはり安心はできません。

 

不安を抱えながら、とりあえず家庭内隔離の態勢に入りましたが、狭いマンションですから、やることには限りがあります。
部屋は閉め切って、常時マスク着用、タオルは朝バスタオルを1枚自分用に準備して、一日風呂に入って寝るまでそれしか使わない。
極力部屋から出ないようにするが、部屋を出るときはティッシュでノブ等をつかむようにして直接触れない。
食事は家内が部屋の前に置いて私が取る。風呂は最後に入り、水でできるだけ流して乾燥させる。
一日の最後に、その日着た衣服とバスタオルを洗濯機に入れて洗う。

 

こういった生活を一週間、症状は初期と変わらない状況が続きました。喉と頭の痛みは軽くなったりひどくなったりで、熱も37°C前後を行ったり来たり。コロナの典型的症状として言われる咳や強いだるさはなく、熱も37.5°Cを超えることはありません。たぶん大丈夫じゃないかと思う反面、一週間を過ぎたところで軽快に向かうか重症化するか分かれてくるという報道もありましたのでちょっと緊張していて、ちょうど一週間経った日の夜、胸が痛み始めました。とても不安になり、一気に弱気の虫に取りつかれます。

 

夜が明けるのを待ちかねて、24時間対応の千葉県の窓口に電話しましたが、延々保留中でいつまで待ってもつながりません。仕方なく9時になるのを待って最寄りの保健所の窓口に電話し、何度も話し中でしたがやっとつながって相談することができました。ここで65歳以上になって初めて歳を取ったことが有利に働き、高齢者扱いで親身に相談に乗ってもらいました。
結論は、かかりつけの病院に、保健所には相談済みで速やかに診察を受けるように指示を受けた旨説明して、受診して下さいというものです。
早速かかりつけの病院に電話し、公共交通機関は使わないこと、入り口で趣旨を伝え看護師の指示に従うこと、等を指示されて向かいました。

 

病院はとても混みあっていて、入り口にはトリアージ対応の趣旨と手順が大きく張り出されており、横には仮設のテントも用意されています。東京に近い千葉県北西部のこの総合病院でも臨戦態勢です。
入り口で体温測定、簡単な問診の後、院内には入らず駐車場のクルマの中で待機するように言われます。感染疑いのある患者用に、隅っこに車間を空けて専用スペースが用意されていました。

 

相当待たされましたが、その間看護師さんが順にクルマまで来て、再度の問診、検温、喉・鼻の検査、採血をその場でしていきます。この日は天気は良かったのですが風がとても強く、看護師さんは大変そうでした。その間少し話をしたのですが、大変な中明るく笑顔を絶やさず、頑張りますと話す姿に感動しました。本当に彼ら彼女らに支えられていることを実感しました。
そのあと肺のCT検査で初めて院内に入りましたが、最初から最後まで看護師さんがつきっきりです。最後の医師からの結果説明まで都合4時間くらいでしたが院内で居たのは30分くらいで、一人にされたのはシロという結果が判明した後だけ、それまではずっとつきっきりでした。

 

結果は新型コロナ含め、体内に大きな炎症の兆候はなく、心配いりませんとのことでした。喉と頭の痛みは風邪の症状のようだが殆ど回復しており、CTでも全く影もないので新型コロナ含め安心して良いでしょうと。ただCTを見ると肺嚢胞の影が多くあり、これが胸の痛みの原因かも知れないねという事でした。
要は一週間くらい前に風邪に罹ったが、ほぼ治ってきていたところに肺嚢胞からくる(?)痛みを発症して今回の状況となったのでは?という事のようです。

 

ともあれ最悪のことまで想像していましたのでホッと一安心です。もしこれがクロだったら他の家族3人濃厚接触者(または私以外が感染源)であるのは間違いありませんし、さらには定期的に家内が訪問して買い物等に連れ出している家内の両親も対象です。本当に全員感染となったりしたら、飼い猫のロクは誰が面倒みるんだ?みたいに悪い想像がどんどん膨らんでいました。ホント良かったです。

 

とても大げさで臆病な対応だったようにも見えるでしょうが、その時は真剣でした。病院に行く前は身辺整理しようかとまで思いましたから。
ビジネスの世界では、悲観的に準備して楽観的に対応するということが良く言われますが、今回に関しては最悲観論で準備して最悲観論で対応するくらいで丁度いいのではないかと、今でもそう思います。

 

 

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