飛鳥Ⅱでの伊東花火クルーズ2日目は伊東港沖に停泊している状態で目覚めました。
終夜飛鳥は走っていたはずですが、横浜港から伊東港までは一晩掛かる程遠くありませんから、恐らく徐行したり迂回したりして時間調整したのでしょう。エンジン音もとても静かで、速力を上げていない分逆に波に乗った揺れを感じました。
伊豆半島の山には霧がかかり雨も降っているようですが、太平洋上は晴れています。これなら上陸しての観光も、今回の目玉である按針祭での花火大会も無事できそうで、一安心しました。
ところがその後の船内放送では、海上のうねりが高いので、テンダーボートでの接岸ができるかどうか現在検討中であることと、現地ツアーに組み込まれている大室山のリフトが強風による運航中止の可能性もあるので、これも確認中とのことでした。
飛鳥のような大型船に乗っていると波は殆どないように感じるのですが、実際にツアー実施が決まり、テンダーボートに乗り込んだ時は、かなり波にあおられて介助の乗組員の方たちは相当緊張していました。
この日の朝食は和食を選びました。普段の朝食はここ数十年ずっと洋食、さらに近年では私だけ低糖質のシリアルですから、こういう時は和朝食が嬉しいです。
食後、テンダーボートの運用が可能と判断したこと、大室山リフトも通常運行となったことが告げられ、予定通り現地ツアーに出発しました。正直伊東には何度も来たことがありますし、大室山も登りましたので、今回はツアーそのものよりもテンダーボートに乗れることが楽しみだったのです。基本的には緊急時しか乗らないものですし、そうでなくても、今回のような小規模の寄港地で飛鳥が着岸できない場合しか乗る機会はありませんから、乗れて良かったです。
ただ上でも書きましたが、波が無いように見えても実は運航可否を判断せねばならないような状態でしたから、飛鳥とその船腹に横付けされたテンダーボートは、それぞれが波に揺られて上下左右に移動し、タイミングを計らないと危ないケースもありました。私よりはるかに年長の先輩方も多いですから、係員の方はかなり緊張して介助していました。
テンダーボートは伊東港のヨットハーバーに着岸し、ここからはバスで大室山と池田20世紀美術館に向かいます。約3時間の短いコースですが、大室山の天気もまあまあでしたし、池田20世紀美術館は、道路舗装に使うアスファルトの日本大手である、ニチレキという会社の創業者の方が作った小ぶりな個人美術館ですが、ピカソ、ダリ、シャガール、ムンク、アンディ・ウォーホルなど巨匠の作品が並んでいて圧巻でした。
13時頃飛鳥に戻り、昼食を食べたらあとは夕食まで自由時間です。我々はまず露天風呂もあるグランドスパで汗を流し、あとは船室やバルコニーでのんびり過ごしたり、アフタヌーンティーを楽しんだり、船内を散策したりと思い思いに過ごしました。18時からは夕食を食べ、船内で開催された縁日をちょっと覗いて、あとは20時からの花火に備えます。この日は右舷側を岸に向けて停泊しましたので、我々の船室バルコニーから正面に見える位置となり、ルームサービスを頼んで飲んだり食べたりしながらのとても快適な花火見物となりました。
この伊東花火は、按針祭という三浦按針(ウイリアム・アダムス)が伊東で日本最初の洋式帆船を建造したことを記念したお祭りの最終日、市制施工日の8月10日に開催され、10,000発の花火を打ち上げる盛大なものです。
家族全員で花火撮影にチャレンジしたのですが、やはり花火撮影は難しいですね。私は早々に諦め、自分の網膜に焼き付けることにしました。
こんな大規模な花火大会を見るのは、30数年前大阪の淀川べりのマンションに住んでいて、淀川の花火大会が10階の部屋の前の廊下から間近に見えた時以来でした。
21時に花火が終わり、その後は子供たちのリクエストでメインバーに行って一杯やることにしました。普段呑まない私ですが、この日くらいは家族サービスです。
6階にあるマリナーズクラブという店で皆思い思いにカクテルなどを頼んで、ピアノを聞きながら大人の時間を過ごしました。23時頃には各部屋に引き上げて、このクルーズのメインイベントが終了です。