妻も私も予定がなく暇だった今月最初の木曜日、柏市の南部の片田舎(失礼!)でひっそりと営業している「モモンガの森」という個人営業のイタリアンレストランに、昼ご飯を食べに行こうということになりました。
以前から、こんな所にこんな店が、という感じで存在は知っていたのですが、今年の2月頃、たまたま昼時にこの店の前を通り、思い立って一人で訪問したことがあるのです。
その時も飛び込みで大丈夫でしたし、この日も平日でしたから予約は要らないかなと思ったのですが、念のため出かける前に確認の電話を入れてみたところ、その日は予約で埋まっており受け付けてもらえませんでした。そんな人気店だったんですね、甘く見ていました。
二人とももう出かける準備を終えていて、今更ウチで料理という気分ではありませんでしたので、しばらく考えた末にやはり以前から気になっていた、白井市にある「美食茶屋」という和食店に行ってみようという事になりました。今度も満席だと困りますので電話してみたところ、自動音声が流れて、一連の説明の後ご来店お待ちしていますで案内は切れてしまいました。まあ大丈夫なんだろうということにして出かけたのですが、最悪はこの周辺の馴染みの店に行けばいいとも思っていました。
結果から言って12時少しまわった時間でも我々が最初の客、その後も2組が来ただけで、店は広いですから全く予約の必要はありませんでした。
入店の際、ランチは「梨粕みそ焼き御膳」しかありませんが良いですか?と店主の方からの念押しがあり、我々はそれも確認済みでしたので問題なかったのですが、まあ正直言ってあまり愛想の良い大将ではありませんし、この周辺のランチ価格からすればやや高めの単品勝負ということで客数が少ないのかも知れません。
古民家(蔵?)を改装した内外装はとても落ち着いていて素敵ですし、オリジナルだという、梨と酒粕で作った「梨粕万能タレ」を使った料理は、魚も肉もとても美味しく、満足しました。値段以上の価値はあったと思います。また、大将の素っ気なさも、職人気質という感じで、私には気になりませんでした。
ただ、勿論空調は効いているので空気が澱むことはないのでしょうが、蔵風の古民家で窓が少なく薄暗いこともあって、少しだけ饐えたような匂いが感じられました。この日最初の客だったこともあるのでしょうか。
食べ終わって帰ろうとした時に、店頭の立て看板に小さな生まれたてのカマキリの赤ちゃんがしがみついているのを発見しました。体長2cmにも満たない小さな体ですが、ちゃんとカマもあって、一丁前に威嚇してきた後、一生懸命逃げて行きました。今後の生存競争は厳しいでしょうが、無事大きくなると良いですね。大きくなったカマキリは苦手ですけど、、。
この日は行けなかったイタリアン「モモンガの森」ですが、朝そこまでの道のりを何となくGoogleMapで眺めていて、その横を抜ける細い道に「塩どっけ道」という名前が付けられているのに気が付きました。
以前、この周辺には「鮮魚街道(なまみち)」という銚子の海産物を行徳まで抜けて江戸に運ぶ街道があったことを知ったのですが、この「塩どっけ道」というのも何やら由来のありそうな道です。
調べてみると、柏市の観光協会のHPに、柏周辺の昔話を集めたページがあって、そこにこの「塩どっけ道」の由来となった昔話が収録されていました。
それによれば、塩どっけは、塩どっけ⇒塩どっかえ⇒塩とっかえ⇒塩とりかえ、となり、周辺で集めたたき木などを塩と交換するために海辺の行徳まで通った道の事なんですね。
柏観光協会の昔話の欄は、この塩どっけの話に限らずどれも面白くて、近くでもあり、その舞台となったところにちょっと行ってみようかという気にさせられます。
改めて見ていると、モモンガの森からも近い観音寺というお寺にある「力石」にまつわる昔話も掲載されていました。このお寺は花の寺として人気で、私も度々訪れているのですが、力石そのものをこれまで見落としていました。こういう知識を得ていれば、今後行った時には新たな興味を持って眺められそうです。