1年前の運転免許更新の時、身に覚えがないというか、違反だとは納得していなかった案件で点数制度上の減点がされていて、それに対する審査請求をしていました。
しばらくこの反論書に対する反応がなかったのですが、やはりそのまま放置される訳もなく、昨年末に「行政不服審査に対する裁決書」という、すごく大げさな文書が到来し、例によって書き方が官僚的、高圧的、嫌味だったのがかなり気に障りました。
当初は再度不服申請をする気満々だったのですが、年始早々、愛猫ロクの死や私自身のコロナ感染などですっかり気が滅入ってしまい、何より残り少ない人生こんなことにかかずらわっている場合じゃないなと思うようにもなり、結論としてはこのまま見送ることにしたのです。
ここでまたどうでもいい拘りなのですが、「かかずらわる」「かかずりあう」「かかずる」どれなんだろうと調べてみると、どれでも可ということのようでしたので、自分として一番しっくりくる「かかずらわる」を使いました。
最初審査請求書というものを提出した時は、どうせ暇になった時期なんだし、という軽い気持ちだったのですが、返ってきた弁明書という書類が、我々に誤謬はない、顔を洗って出直せ的な内容だった(そう思えた)ことへの反発の方が強かったです。お上に逆らっても無駄だよ、という雰囲気が嫌だったという事です。当然、不毛な争いと思われることも承知の上だったのですが、何だかもういいかという気になりました。
この裁決書到来から3カ月経過すれば、不服は取り下げられたと見做されるそうですから、3月には本件は決着していたことになります。それが今年も誕生月である7月となり、昨年の免許更新の事を思い出すと共にこの記憶も蘇ってきた訳です。
ただ、この審査請求や反論書を書くにあたっては、しっかり事実関係を思い出して列挙し、簡潔に論理展開する必要がありますから、久しぶりに頭のこの部分を使うな、という感覚があり、老化防止の一助にはなったかもしれません。だらだら書いているこのブログではあまり得られない感覚でした。
それにしても私の今回の行動は、相手が一般企業ならかなりのカスハラ、モンスタークレーマーと受け止められたかも知れません。
そういう意味では、国家権力の代表ともいえる警察のパトカーの後部座席で2時間も異議を唱え続ける面倒くさいジジイを丁重に扱ってくれるのですから、日本というのはかなり珍しい国といえるでしょうし、頭からそういう扱いを期待して疑っていないことも大変なものだとは思います。
審査請求以降の書面はかなり高圧的・官僚的だったとは言え、初期対応にあたった警察官は非常に紳士的で高圧的なところは全くありませんでした。
現にデジタル大辞泉によれば、警察とは「 社会公共の秩序と安全を維持するため、国家の統治権に基づき、国民に命令・強制する作用。」とされているのですが、警察24時間密着、といった感じのTV番組でも、ハナから警察を舐め切った態度で突っかかって行くヤンキー君たちに対しても、公務執行妨害で逮捕!などという刑事ドラマみたいなことは殆どありません。これを見て、何でもっと毅然とした態度で取り締まらないんだろうと歯がゆくも思っていましたが、裏を返せばこういった日本警察の態度への安心感があったからこそ、わたしが大きな態度でいられたのも事実です。
まあパトカー内で2時間ごねたと言っても、その大半は警察官が私が納得していない旨の調書を作るのに手間取ったからで、私がその後の減点処分に異議を唱えたのも、本人は納得していない旨の記述を確認し、その上でサインしたからなのですが、その際写しはもらえませんでした。
その後元刑事の友人に聞くとそれは証拠書類だから写しはもらえないよとのことでしたし、また本人不同意という事であっても、警察官がその場で見た状況を説明する「現認報告書」というものを作成し、作成者として裁判に出廷して「実際に見た状況をウソ偽りなく書いた」と宣誓すれば、証拠として採用される可能性も高いのだそうです。
結局今後書類のやり取りでは決着しそうもなく、そのあとは裁判となるのでしょうし、冒頭書いたような理由もあって、そこまでの熱意も時間・費用も維持していけるとも思えませんでしたので、不本意ながらもこの時点で降りることにしたのです。