車中泊旅といいながら、今回の旅の前半は友人宅やホテルに泊まる普通のクルマ旅です。初日は浜松SAで車中泊しましたが、この日からは友人宅、ホテルと安楽な夜が8日間続くことになります。
まずは奈良の友人宅。韓国駐在時のルームメイトで、1期後輩ですが学年は同じですから同期のような付き合いが断続的に続いています。
退職もほぼ同時期で、しばらくは家族ぐるみ(私は独身でしたが)の付き合いが続いたのですが、彼の長期海外赴任と共に音信が途絶え、十数年振りに帰国した彼からネットを通じて「もしかして(株)○○に勤務していた××さん(私の名前)ですか?」という連絡が入り、付き合いが復活したものです。
ですから「断続的な付き合い」なのですが、彼が赴任に出たころはまだインターネットが普及しておらず、個人が自由に国境を越えて連絡を取り合う環境では無かったのが、帰国した十数年後には劇的にネット環境が変わっていました。そして私のアドレスを何かで見つけたというのですが、私はアドレスに個人を特定できるようなものは使っておらず、どうやってたどり着いたのかは不明です。本人もそこは憶えていないそうで謎のままなのですが、AIに聞いても釈然としない答えばかりです。この場合は悪意のない嬉しい出会いだった訳ですが、そうじゃない場合はちょっと怖いですね。
毎度お世話になっているので、この日は近くの肉屋でちょっといい肉を奮発して持参しました。お宅では焼肉をメインに、それ以外のメニューも盛り沢山に準備してくれていて、お腹一杯堪能しました。奥さんも当時の会社の同期ですので昔話に花が咲き、いつも楽しい会食となります。まあ第三者から見れば年寄りがまた同じ話を繰り返してるわ、というところなのでしょうが、、、。
翌日は友人をハイエースに乗せてまずは徳島県を目指します。
私のハイエースは車中泊仕様としては完全一人用なのですが、助手席と後部座席の片側だけは座れる状態ですので、三人旅も可能です。これまで四国へは和歌山からフェリーで徳島へ渡っていたのですが、今回は時間優先で高速を使い、大阪・神戸・明石を経由して淡路島から徳島入りしました。
今回は彼のリクエストで同窓会の前に鳴門市の「大塚国際美術館」を訪問する計画だったのですが、ここは大塚グループが創立75周年記念事業として設立した「陶板名画美術館」です。古代壁画から現代絵画までの西洋名画1,000点以上をオリジナル作品と同じ大きさに陶板で複製していて、オリジナル作品は退色劣化を免れないものですが、陶板は約2,000年以上にわたってそのままの色と姿で残るのだそうで、直接触れることもできるのが売り物です。
美術館は想像以上のスケールで、丹念に見て回ったら一日でも足りない感じでしたが、まず最初に1時間程度のガイド付きツアーに参加し、それから個別に見て回りましたので、4時間弱でも十分満足できました。
以前単独で訪問したことのある妻はやはり本物を見たいという感想でしたが、私は肯定的で、本物そっくりに油絵のタッチまで再現された陶板を間近に見て触ることもできるのが良かったです。ただ陶板の限界は大きさのようで、大サイズの作品は数枚、数十枚の陶板を張り合わせてありますから、繋ぎ目があるのは少々興ざめですね。
この日は昼頃鳴門市に到着しましたので、「びんび家」という昭和30年代から地元で愛されている魚介料理の店に行くことにしました。鳴門から高松へ瀬戸内海の海べりを走る旧国道11号線沿いにあり、魚のうまさは勿論ですが「鳴門わかめの味噌汁」がとても美味しいのです。「びんび」は鳴門地方の方言で「ピンピン跳ねる新鮮な魚」を意味するのだそうです。
夜もグルメな友人が徳島市・鳴門市の老舗鮨屋を何軒かピックアップしてくれていたのですが、どこも人気店らしく満席でした。やむなくホテルそばの居酒屋で乾杯としたのですが、瀬戸内の魚介類を始めとした料理はどれも美味しかったです。