「旧友との会食1」は韓国駐在時代からの友人との宅呑み+鳴門市での呑みだったのですが、「会食2」は今回の旅のメインイベントである駐在員仲間が集まっての同窓会です。
香川県の売り物といえば何といっても讃岐うどんですが、うどん屋で宴会とも行きませんので、場所は無難に居酒屋となりました。関西には「うどんすき」というものもあって、これは十分宴会料理となり得るものですが、暑い時期にはふさわしなく、また香川では一般的ではありません。香川でのうどんはあくまで「ケ」の食べ物で「ハレ」の食べ物ではないのです。ですから地元民は讃岐うどんがメジャーになって全国から観光客が来てくれることは嬉しい反面、「ケ」の食べ物だったはずのうどんに行列が出来ることに戸惑いもあったようです。今ではその状態に慣らされてしまったみたいですが。
この日の会場は地元で愛される普通の居酒屋でしたが、やはり新鮮な瀬戸内の海産物は美味しくて、刺身の盛り合わせは関東とは一味違います。
高校卒業まで香川で過ごした私は、無類の刺身好きだった祖母に育てられたこともあって、刺身は食べ飽きるほど食べたと思います。そのせいか、今では刺身・寿司にさほどの執着が無く、寿司屋に行っても食べるのは甲殻類・タコ・貝類・魚卵が中心です。魚なら煮魚や焼魚(塩焼きや西京焼き、干物など)の方が好きですし、生だと「漬け」にした方が好みです。ところがこの日の刺身盛りはそんな私の箸が止まらない程でしたから、相当旨かったんでしょう。
韓国での駐在生活は下の記事をはじめとして何度か紹介していますが、私が駐在した4年間が韓国での生産のピークで、その後中国・カンボジア・ベトナム等に工場を移転していますので、韓国当時の話で盛り上がるのに加えて、私が経験していない中国・東南アジアでの生活を聞くのも楽しかったです。
私と在籍期間が被っている駐在員仲間は十数名居るのですが、諸事情によりこの日集まれたのは7人でした。その内定年まで勤めあげたのが4人、中途退職組が私を含めて3人です。退職組のキャリアがその後バラバラなのは当然ですが、その会社に残った4名も欧米の販社への駐在で出た者、製造子会社の責任者として韓国・中国・東南アジアと渡り歩いた者、日本国内の販売を受け持っていた者など、ある意味社外に出た我々よりも多彩なキャリアと言えるかも知れません。
それでも四十数年ぶりに顔を合わせて、最初こそ「これ誰だ?」という瞬間があったものの、ほんの数分でブランクは埋まり、昔と変わらないやり取りが始まりました。学校の友人より親密度は高いようで、それは異国で食住を共にしたことが大きいと思います。特に当時の韓国はまだ先進国と言える状態ではなく、生活の不便さが多々あったことも影響していそうです。
例えとしては不適切な気もしますが、ホグワーツでの寄宿生活を共にしたハリーポッターやロン、ハーマイオニーが親友となったことと近いのではないかと思うのです。
そして16時から始まった宴会は21時となってようやくお開きとなり、私は人生初の運転代行を頼んでホテルまで帰りました。田舎育ちではあるのですが、代行が市民権を得た頃には大阪や東京で暮らしていて、これまでクルマで呑み会に行くという機会が殆ど無かったのです。
ハイエースの助手席に座るのも初めてで、代行業者のドライバーと話しながらの車中は気詰まりかなと思っていたのですが、話し上手なドライバーさんで助かりました。もっとも彼によれば、顧客は漏れなく飲んだくれ(泥酔者も多い)なので、寝てしまう人の方が多いんだそうです。まあそうでしょうね。