シニアライダーの日常・R1200Rと共に

シニアライダーの日常と記憶、愛車R1200Rと行くツーリングの記録と四方山話。

久し振りの都内、江戸情緒の街へ(クルマで通り過ぎただけですが)。

 

この日はどうしても出席しなければならない会議のために、一か月ぶりに都内に出掛けました。一か月前もこの会議のためでしたから、これ以外の用件では都内に足を踏み入れていなかったことになります。

 

一か月前はまだここまで事態が緊迫してはいませんでしたが、当時でも満員電車に乗るのはやはり不安でした。まして緊急事態宣言下の今は、乗降客が激減しているとは言え乗りたくないのが本音で、それならばこの際クルマで出かけてみるかと考えました。在宅勤務の要請が出されて電車の利用客が減っているなら、クルマで通勤する人も減っているでしょうから、そんなに時間もかからないでしょうし、何より閉鎖空間のまま現地に行けるのは魅力です。
何十年も都内に通勤しましたが、クルマ通勤したいと思ったことはこれまで一度もありません。電車通勤では、夏は暑く冬は寒く、車内は超満員で押しまくられる、それは確かに不快の極致ですし、クルマ通勤すれば、空調完備の自分だけの空間で職場と自宅を往復できるのは事実です。でもそれより何より、いつ目的地に到着できるかもわからないような、あの渋滞に突っ込んでいく気は全く起きなかったです。

 

この日の目的地は台東区と荒川区の境界付近、日暮里駅の近くですから、まずは国道6号線(水戸街道)に出て、矢切から金町へと江戸川を渡って都内に入ります。
ここまでの交通量は、確かに少ないような気はしますが、平常時の通勤時間帯との比較ができませんからあくまでも感覚です。この江戸川を越えて金町に入るところは休日でも常に渋滞が発生するところで、この日の朝も渋滞はしていました。でも想像よりはずっと少なく、5~10分でこの渋滞も抜けました。そこからは目立った渋滞もなく、中川、荒川と越えて、隅田川にかかる言問橋を渡れば目的地まではすぐです。
都合1時間20分位で着きましたが、これならクルマ通勤も楽々です。

 

クルマで行ってみて、これまで電車で行き来していては判らなかったことに色々気付きました。それは、この辺りが江戸時代を描いた時代小説の中心的な舞台だったということです。

 

今私は時代小説にはまっており、とはいえ新作ではなく過去読んだものの再読なのですが、そこに出てくる地名が、クルマで走っているといくつも目に付きました。
読んでいるものは、池波正太郎の「剣客商売」や「仕掛人・藤枝梅安」、平岩弓枝の「御宿かわせみ」や「はやぶさ新八御用帳」など、長編ではあるもののすべて一話完結で、どこから読み始めても楽しめる形式のものです。登場人物やその背景等は憶えていますが、一話一話のプロットはほぼ忘れていますから、今回読み直しても新鮮で楽しめています。この二人の作家は共に、長谷川伸という股旅物の創始者に師事していますから、江戸の街の描き方なども似ているように思います。

 

剣客商売(一~十六、番外編) 合本版

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仕掛人・藤枝梅安 全7巻合本版 (講談社文庫)

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合本 御宿かわせみ(一)~(三十四)【文春e-Books】
 

 

 

電車では、目的地に着くまでただ電車に乗っているだけで、周辺のことを気にかけたこともありませんでしたが、一人でクルマを運転していると、地名は自然に目に入ってきます。
まず国道6号線(と言うよりここはやはり水戸街道と言いたいところです)で荒川を抜けるとそこは向島で、この辺りからはもう江戸、時代小説の世界です。そして言問橋から隅田川を西に渡れば浅草寺の裏手で、言問橋の北側には待乳山聖天、当時吉原遊郭があった千束を抜けると、鬼子母神のある入谷、そして目的地近くには根岸、谷中と続き、正に池波正太郎や平岩弓枝の小説の舞台です。

 

今は観光地も営業自粛でこの辺りも火が消えたような静けさですが、騒動が収まれば、この時代小説の舞台を巡る古地図の旅もいいなあと思った次第です。

 

 

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