シニアライダーの日常・R1200Rと共に

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成人式の優先順位が高すぎないか?

 

昨日1月11日は今年の成人の日でした。以前は1月15日となっていたのですが、2000年からハッピーマンデー制度というお気楽な名前の制度(基本的に横文字の乱用は嫌いです、、)で、1月の第2月曜日という変動制になったものです。これは月曜休日統一法(Uniform Monday Holiday Act)という米国の制度を真似たものだそうで、米国追随がここにまで及んでいるのに驚きました。しかも制度名はもっと変だし、、。

 

確かにバラバラと飛び石で休日があるよりも、3連休となった方が出かけやすいというのはわかりますが、本来西欧諸国と比べて少ない休日数を増やすことなく、小手先だけ真似しようとした感じがして、当時全く共感できなかったことを憶えています。
そもそも記念日が動くっておかしいですよね?自分の誕生日が7月の第2火曜とか言われても違和感があります。太陽が真東から出て真西に沈む日と決まっている春分の日、秋分の日は、一年に365日の端数がある関係で毎年移動するのですが、これは止むを得ないですね。

 

今年の成人式は、一都三県での緊急事態宣言の発出直後ということもあり、首都圏の自治体では成人式の中止や延期の動きが相次ぎました。そんな中注目を浴びたのが新宿区で、区長が「ウチはなにがあっても式は実行する!」と宣言して炎上しました。この発言の時点で既に緊急事態宣言の発出は確実視されており、まして新宿区は歌舞伎町を抱えていて東京の中でも感染度のとても高い区ですから、非難が集中するであろうことは予想できましたし、そしてその通りに撤回に追い込まれましたが、なぜ敢えてこんな宣言したりしたんでしょうね。

 

私は、新宿区が特殊な例で他は殆ど中止・延期するものだと思っていたのですが、全くそうではなく、首都圏の自治体でも成人式を実施したところは結構あったようです。東京23区では杉並だけだったようですが、横浜市、さいたま市という県庁所在都市でも実施していて、何か緊急事態宣言とちぐはぐな思いがするのは私だけなのでしょうか?行政が自ら感染拡大の主体とも言われている若者を集めることが何故今必要なのでしょう?中止しないまでも何故延期ができないのでしょう?

 

マスコミも「こんな大変な中、苦労して式を実施して頂いて有難いです。」という感謝の言葉ばかりを取り上げていて、その一方的報道姿勢にも違和感がありました。成人式は若者全てが待望しているもので、それを何としてもやり遂げることが我々大人たちの義務だ!みたいな古い世代の思い込みに囚われすぎているんじゃないですかね?
20歳になった記念に晴れ着を着たい、久しぶりに懐かしい友人たちにも会いたい、というのは良くわかりますが、市長だの区長だのといった偉い人の退屈なスピーチを聞いて、改めて成人となった感慨に浸るような若者はまずいないと思います。

 

ウチの息子は全く成人式に興味がなく、最初から行こうともしませんでした。中学校から域外の学校に行ったので、所謂地元の友人が少なく、成人式への参加意欲がなかったのだと思います。一方で娘は意欲満々で、これは晴れ着を着るということが95%くらいを占めていたようですが、その中には友人に見てもらうという要素が含まれていますから、中止は困ると言ったでしょうね。
やはり晴れ着で着飾るということもあって、一般にも女性の方が参加意欲が高いのは感じられますが、成人式に関していえば、男性の中でも通常こういった式典に拒否感が強そうなヤンチャ系男子が積極的みたいです。彼らの衣装も一種の晴れ着なんですかね。

 

私の時代にはまだ女性がみんな晴れ着で成人式に来るという風潮は出来上がっておらず、女性でもスーツが多かったように思います。ちなみに私は成人式には行っていませんので、実際この頃どうだったかの記憶は曖昧です。
当時、太田裕美さんの木綿のハンカチーフというヒット曲に「見間違うようなスーツ着た僕の写真を見てくれ」という一節がありましたが、当時はスーツを着ることが大人の印、見たいなところがあって、むしろ男たちのほうが見てもらいたい気分が強かったのかも知れません。
また家内は私より一世代後で、その頃は既に晴れ着が主流だったそうですが、ホテルで着付けしてもらい記念写真を撮っただけで、やはり彼女も式には行かなかったそうです。

 

晴れ着と言えば、ちょうど娘の成人式の日に勃発した「はれのひ事件」も忘れられません。着物レンタルの、はれのひ(株)が成人式当日多くの予約を抱えたまま突然休業し、翌日全店閉鎖してしまったことで、予約済みの人たちは途方に暮れる事態となり、社会問題にもなりました。家内が娘をクルマに乗せて会場に向かっている時、スマホを見ていた娘が「何か大変なことになってるみたいだよ」と言ったのが今でも忘れられないと家内は言います。

 

成人式否定論みたいなことを書きましたが、新しく成人となる皆さんを祝福することを否定している訳では勿論ありません。今年はこんな大変な時期だからこそ逆に記憶にも残るでしょうし、これから長く続く大人の時間を楽しんで欲しいと思います。 

 

 

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