バイクの一番の魅力は風を受けて走る爽快感なのでしょうが、それに加えて車体を傾けることで自在に曲がる方向を決められるという操縦感(操り感)も大きいと私は思っています。コーナーの角度と今のスピードを計りながら、ピタリときまった傾きで進入しコーナーを抜けていく時の爽快感はちょっと他では得られないと思います。(あくまでも舗装路の話です。)
飛行機の操縦はこれが三次元になる分、更に高度な達成感・快感になるのでしょうが、高所恐怖症の私は航空機免許などは考えたこともありません。
この快感は車体を傾けられる二輪だからこそ得られるものなのですが、それと引き換えに失うものが安定性であり、特に低速になればなるほどそれは顕著になります。 トライクという三輪バイクもありますが、車体が傾かないものが殆どで、私の定義するバイクの楽しみの大部分は失われますし、どちらかといえばこれはオープンカーに近い乗り物なのではないかと思います。ちなみにトライクという言葉は本来単なる三輪を表す言葉ですので、子供の三輪車も、昔のオート三輪も、ピザ宅配の三輪バイクもすべてトライクということになるのだそうです。ならばベトナム等で観光客用に走っている「シクロ」もトライクですね。
二輪バイクと同様なフィーリングで傾けられるという点では、ヤマハの「ナイケン」という大型三輪バイクもあります。トライクは普通免許で乗れますし、ということはヘルメットの着用義務もない(これは正直どうなんだと思いますが、、)のですが、ナイケンは二輪車としての扱いで、大型二輪免許もヘルメットも必要です。これは2輪部分の車軸幅(トレッド)が460mm未満の場合の適用なのだとか。
トライクもナイケンもカッコいいですが威圧感も凄いです。
そして二輪車の弱点である、発進・停車時、低速走行時の不安定さを補う工夫としては、補助輪を後付けで装着してスピードを落とすとそれが下りてくるという仕組みも開発されているらしいのですが、見た目がとてもカッコ悪く、幼児用補助輪付き自転車に見えてしまいます。これは普及しないでしょうね。
また実現可能性のある取り組みとしては、ホンダのライディング・アシストという二輪車自律走行システムがあります。まだまだ市販レベルではないようですが、既にモーターショーなどでは公表されていて反響を呼んでいます。
低速時のみならず停止時にも倒れない仕組みは勿論ですが、上の動画のように持ち主についてくる機能も愛犬との散歩みたいで良いですね。取り回し時に倒す心配も要らなくなる訳です。この機能があればトライアンフの超弩級マシン、ロケット3(何と2500cc!)でも乗れちゃいますね。
バイクって、走り始めてしまえばこのロケットだろうがハーレーのウルトラだろうが乗れてしまうのですが、取り回しや信号でのストップアンドゴー、渋滞時のノロノロ運転等考えると、やはり自分には無理だなとあきらめてしまいますから。
しかしこういった機能が実現するのはまだまだ先の話ですから、私は今後もやはり市街地や人の多い有名観光地、幹線道路、大規模イベント等にはできるだけ近づかず、郊外に向けてバイクを走らせることになります。