千葉県印西市の南部、佐倉市や八千代市との境界近くの草深というところに、社会福祉法人印旛福祉会が運営するオソロク倶楽部という施設があります。
ここでは、障がいのある方の就労支援としてピザレストラン・カフェの運営、野菜・稲作等の農作業、アート制作などに取り組んでいて、この販売活動で得られた利益は、オソロク倶楽部のメンバー(利用者)に工賃として支給され、また企業に就職を希望する人には、企業実習の支援、就職後は職場へ定着するまでの支援も行っています。
私がバイクでこの周辺を走るようになってからは、オソロク倶楽部の前を何度となく通っており、ここの看板も見ていたのですが、施設そのものは少し路地を入ったところにあって、道路脇の看板には石窯パン工房オソロク倶楽部とだけ書かれていますので、単なるパン屋だと思っていました。これまでは立ち寄ることもなかったのですが、たまたまネットでオソロク倶楽部が上記のような施設であることを知り、是非一度行ってみたいと思うようになりました。
実は、今私がお手伝いしている企業の一つがやはりグループホームや就労継続支援の施設を運営しており、ネットでもとても評判の良いこの施設がどんな運営をしているのか見てみたいという気になったのです。
また、オソロクという変わった名称のことはもともと気になっていました。
他の施設にはそれぞれ地名が付けられているようですが、ここの住所は印西市草深485-3となっていて、オソロクという言葉はどこにもありません。しかし尚も施設のHPを読み進めていくと、ここは昔の住所表記では草深字怖録(あざ・おそろく)といい、漢字を用いて怖録とすれば、読みずらいし文字通りちょっと怖いイメージにもなるので、「オソロク」とカタカナにした、という説明箇所を見つけました。
確かに「怖録」とは変わった地名ですが、このあたりには他にも変わった地名が多く、草深は「くさふか」ではなく「そうふけ」で、発作(ほっさく)、造谷(つくりや)など、難読地名も多くあります。
ということで今年のGWも後半となったこの日、家族3人でここのレストラン部門に行って来ました。
私がいつも見ていた看板から路地を入って100mも進めば、隣接する総武カントリークラブという名門ゴルフコースの木立を背景にした、カフェ・レストラン・作業場・農場などが見えてきます。
11時から15時までの営業で、混み合う時には最高2時間くらいお待たせしたこともあるのでゆっくり時間を取って来て下さい、とHPに書かれていましたから、この日はオソロク倶楽部だけを目的に、のんびり待つ積りで11時過ぎに到着しました。
みんな一生懸命やっていますが、急ぐのが苦手な子もいますので、広い心でお待ちくださいませんか?的な説明書きがありましたが、来店されている皆さんは穏やかな笑顔でゆったり待ち時間も過ごしていました。
11時過ぎの受付で10組ほどの待ち、1時間以上はかかるとの事でしたので、まずは隣のパン工房+カフェでお茶でも飲みながら持つことにしました。番号札が発券されますので、声の届くところで居さえすれば行列に並ばなくても大丈夫です。
とてもいい天気でしたので最初はテラス席に座ったのですが、あまりに風が強くなってきたので室内に避難。朝食抜きの娘は、食事前にも関わらず小腹満たしと称してオニオングラタンスープを注文したのですが、パイ生地で包んだ結構ボリュームのあるものが登場して驚いていました。
コーヒーを飲みながらのんびり待ち、順番となって案内されたのは今度もテラス席で、時折り強い風が吹いてサラダの葉っぱが飛んで行ったり、紙ナプキンが飛んで行ったりしましたが、気候も良くとても快適でした。
プライバシー保護ということもあるのか、店内では料理以外の撮影はお断りとの注意書きがありました。接客にあたってくれるのは、笑顔がとても素敵で可愛い子たちで、適性によって厨房やホール等に別れるようですが、皆生き生きと働いていました。
サラダと、ベーコンのピザに生ハム・オリーブをトッピングしたもの、魚介のパスタとカルボナーラを3人でシェアして十分満腹になりました。ピザ生地はふっくらモチモチのタイプで食べ応えがありましたし、パスタは絶妙なアルデンテで、トマトソースもカルボナーラもとても好みの味でした。
私は食後にクラフトコーラを頼んだのですが、ソーダで割りながら飲むタイプで、生姜が効いたさっぱり味でした。
赤いパラソルの下でしたので、写真がすべて赤みがかっています。
帰りにはまたパン工房に寄って、幾つかパンを買って帰ったのですが、これらも全て美味しくて、3人ともかなり満足度は高かったですから、今後何度も通う店になりそうです。